世界で最も強い金(円建て)

FOMCを受けて
 FOMC(12月17~18日)では、来年1月からのQE3減額が決定されたが、月額100億ドルという緩やかなペースでの量的緩和減額で、フォワード・ガイダンスでは「失業率が6.5%を下回ってもかなりの間、特に予想インフレ率が委員会の長期目標である2%を下回り続けるならば、現在のFF誘導レンジを維持することが適切になる公算が大きい」と、ハト派的ニュアンスが強い文言を盛り込み、全般的には緩和的な内容を示す格好となった。

 FOMCを受けて金融市場では緩和縮小を嫌気する場面も見られたが、緩和的な状況は継続するとの期待感からリスクオンの動きとなり、株高・ドル高で反応。NY金は売られたものの、心理的節目1200ドルは維持している。12月6日発表の米雇用統計の際も、強気の内容を受けたドル高を嫌気したが、結局1200ドルを割り込むことができず、売り方の失望感からの買い戻し主体で1260ドル台まで自律反騰となった。今回もこのまま1200ドルが維持されるようなら、6月28日安値が当面の底値候補となり、クリスマス~年末年始の休暇前に、売り方の買い戻しが進む可能性も想定しておきたい。CFTC建玉明細で大口投機玉(ファンド玉)の動向を見ると、再び売り越しが増加しており、1200ドルを維持した場合の買い戻し圧力が高まりやすい地合いだ。「GFMS2013」によると、南アフリカの生産コスト(Total production cost)は1232ドル、世界全体の生産コスト(Total production cost)は1211ドルであり、1200ドルを割り込んで長く時間が経過すると、鉱山会社による生産減少の流れが加速すると思われ、安値での中国を始めとする新興国の需要の強さや、アジア地区の地政学リスクの高まり等を考慮すると、弱気筋の唱える1000ドル割れの大幅下落は足元では考え難い。

 また、円建ての金は、海外安を円安が相殺する格好となっており、4000円水準の下値支持感が徐々に高まっている状態だ。2011年ドル建てを始めとして主要通貨建ての金(GOLD)が軒並み史上最高値を更新した際に、円高進行で高値更新できずに世界で最も弱かった円建ての金が、来年にかけては、円安進行により世界で最も強い金(GOLD)になるかもしれない。消費増税前の駆け込み需要期待も国内特殊要因となろう。円安メリット銘柄の一つに円建ての金(GOLD)も加えて良いのではないか?