FOMC量的緩和縮小開始を決定、同時にガイダンスを強化

しばらくは円安継続か
昨日の海外時間には、米FOMCが量的緩和の縮小開始を決定しました。現在の月額850億ドルから100億ドル減額して月額750億ドル規模の買い入れとしました。また同時にガイダンスでインフレ率が2%を下回る場合は失業率が6.5%を下回っても低金利を維持する、とされたことで、米長期金利の上昇が抑えられ、株式市場は大幅高となって、円が全面安になりました。

欧州時間、発表された英・11月失業保険申請件数が予想よりも良い結果だったことからポンド買いが強まって、ユーロポンドでユーロ売りが出たこともあってユーロはやや軟調に推移し、ユーロドルは1.3740台まで、ユーロ円は102.80円台まで下落しました。この間ドル円は非常に狭いレンジ内の取引きに終始しました。

NY時間にはいって、FOMC結果発表を前に米長期金利が上昇を始める中、発表された米・11月住宅着工件数/建設許可件数が予想を上回ったことも手伝って全般的にドル買いが強まり、ドル円は103.10円台まで上昇し、ユーロドルは1.3730台まで下落しました。その後はFOMCの結果発表待ちの中、米長期金利の上昇が続いたことから円売りが継続し、ドル円は103.20円台まで、ユーロ円は142.10円付近まで上昇しました。その間ユーロドルはポジション調整と見られる買いで1.3770台まで反発しました。

NY時間午後にはいって、FOMCが終了し、政策金利の据え置きが発表されました。

注目された量的緩和に関しては、声明で「労働市場環境に対する見通しの改善を受けて、資産買入ペースを緩やかに縮小させることを決定した」として、1月からMBSと国債の買い入れを50億ドルづつ、合計100億ドル減額することを発表しました。なお今後の買い入れ縮小に関しては、状況が改善すれば「秩序だった形でさらに減額する」との記述にとどまりました。さらに現在の超低金利を「特に予想されるインフレ率が委員会の長期的な目標である2%を下回る場合には、失業率が6.5%を下回った後も相当期間維持することが適切」とされたことから米長期金利は乱高下したあと発表前と変わらない水準で安定しました。一方各国株価は緩和縮小が開始されたものの、超低金利の維持がより長期間にわたる、との期待で大幅に上昇しました。

発表直前にドル売りが急激に強まって、ドル円は102.70円付近まで下落し、ユーロドルは1.3780付近まで上昇しました。しかし緩和縮小が発表されるとドル買いが強まって、ドル円は103.60円台まで上昇し、ユーロドルは1.3700付近まで下落しました。この間ユーロ円は141.40円台まで下落したあと142.60円台まで上昇しました。しかし超低金利の維持がより長期間続くとの見方で再びドル売りが強まって、ドル円は103.00円台まで反落し、ユーロドルは1.3810台まで上昇しました。

NY時間終盤にかけてNYダウが16000ドル台に乗せたあとも上昇を続けたことから全般的にドル買いが再び強まって、ドル円は104.30円台まで上昇し、ユーロドルは1.3670台まで下落しました。

東京時間にはいって、高く寄り付いた日経平均伸び悩む展開となっていることもあって、利食いの円買いが優勢となって、ドル円は104円割れ、ユーロ円は142円割れまで下落しました。

今日の海外時間にはユーロ圏・10月経常収支、英・11月小売売上高指数、米・新規失業保険申請件数、米・12月フィラデルフィア連銀景況指数、米・11月景気先行指数、米・11月中古住宅販売件数の発表が予定されています。

注目されたFOMCの量的緩和縮小開始が決定されました。縮小を予想の範囲に留めたこと、今後の縮小ペースを明示しなかったこと、同時にガイダンスの強化をしたことなどから、長期金利の急上昇や、株価の下落といった副作用なく縮小を開始できたことから、調整はあるでしょうがしばらくは株高、円安の流れが続く、と予想できます。