米FOMC、量的緩和拡大ペースの縮小を決定

非常にうまいやり方
米FOMCがついに量的緩和拡大ペースの縮小を決定しました。

昨日のエントリーでは決定の有無は五分五分と書きましたが、個人的には1月か3月の決定ではないか、と予想していましたので、少し意外でした。

昨日夕方のエントリーでは、決定後のドル円相場の予想を

>縮小幅が大方の予想通り月100億ドルだった場合は、一旦はドル買いになると考えられますが、ある程度織り込まれていることや、材料出尽くしとなることから、株式市場も軟調になりやすいことを考えるとドル買いは長続きしない、と予想します。

としました。

FOMC結果発表直後の動きを見ると、発表前に急に売られて102.80円台で発表になったあと、米長期金利上昇でドル円も103.60円台まで上昇し、その後低金利維持の長期化期待で米長期金利が反落して103.00円台まで反落という動きでした。そこまでの動きはほぼ予想通りだったと言えます。

ただ、非常に上手い声明の変更の結果、米長期金利は乱高下したものの発表前に上昇した水準近辺で落ち着きました。その一方発表後一旦は緩和縮小を嫌気して売られたNYダウは大幅高になって、16000ドル台にのせてからも上昇の勢いが衰えなかったことから全般的なドル買いが強まる中、円が全面安となってドル円は2008年10月以来の104円台の取引きとなりました。

今回の決定では、「労働市場環境に対する見通しの改善を受けて、資産買入ペースを緩やかに縮小させることを決定した」として国債とMBS両方の買い入れを50億ドル減額して、これまでの月額850億ドルを750億ドルにしました。

その一方で今後に関しては「もし今後得られる情報が労働市場の環境改善とインフレが長期的な目標に回帰するとの予想をサポートするのであれば、今後の会合で資産買入のペースを秩序だった形で更に減額する」とするにとどめて、明確な言い回しを避けました。

また異例の低金利政策を維持する期間に関して、失業率目標の6.5%は変更されませんでしたが、これまでは「1-2 年後のインフレ率が長期的な目標である2%を0.5%ポイント以上上回らず、長期的なインフレ予想がしっかりと抑制されている限り」とされていましたが、それに加えて「特に予想されるインフレ率が委員会の長期的な目標である2%を下回る場合には、失業率が6.5%を下回った後も相当期間維持することが適切である」として低金利維持の条件としました。

低金利維持の条件としてはっきりした物ではないものの、予想インフレ率の下限を条件に加えたことと、使われたインフレ率2%という条件が事前予想の1.5%に比べ高いものだったことから、相対的により長期間現在の低金利が維持される見通しとなって米長期金利の上昇が抑えられ、株式市場が好感しNYダウ、S&P500が史上最高値を更新する動きにつながりました。

量的緩和拡大の縮小という非常に難しい仕事を、市場の混乱なくスタートさせた、という意味で今回のバーナンキ議長らの手腕は見事、と言うほかありません。今年の6月のFOMC後の会見でバーナンキ議長が緩和縮小に言及して金融市場が大混乱した時とは対照的な結果でした。また、今後のスケジュールや超低金利の解除などに関しては、あいまいな表現にとどめることで今後の政策運営を自由度を残すといううまいやり方です。

今後は、毎回のFOMCで100億ドルずつの縮小を繰り返すと予想され、来年末には新たな買い入れを終わる、と見られます。買入れの縮小自体は今後は既定路線となって今までのような大きなドル買い材料にはならない、と考えられ、今後も米長期金利と株式市場の動向がドル円相場の鍵を握る、と考えられます。