ECBは動かない?それとも動けない?

量的緩和のハードルは高い
今日理事会を開催するECBは、昨年11月に大方の予想に反して政策金利を0.25%引き下げて、0.25%にしました。

利下げの大きなきっかけになったと考えられるのは、10月末に発表になったユーロ圏のコアCPIが前年比0.8%と低下して、ディスインフレ(インフレ率の低下)がはっきりとしてきたことです。

その後利下げの効果もあったのか、12月に発表されたコアCPIは0.9%とわずかですが上昇しました。ところが年明け1月7日に発表になった12月分の速報値では、0.7%と再び低下してしまっています。本来であれば、このディスインフレの傾向に歯止めをかける為に、追加の緩和措置がとられてもおかしくない状況です。

ところが、大方の予想では今日のECB理事会では追加措置は決定されない、と見られています。

実はECBは追加緩和をしないのではなく、できない状況なのです。

政策金利はすでに0.25%になっているため、もし利下げするとしてもあと一回、例外的にもっと小幅な(例えば0.1%)の利下げも可能ではあるものの、効果は期待できません。

一方ユーロ圏は、複数の国で成り立っている特殊な経済圏の為、日米英が実施しているような資産買入れによる量的緩和が非常に難しいのです。国債を買い入れるにしても、独、仏などの国債を買い入れることはできますが、南欧諸国の国債をECBが買い入れることは、ECBのバランスシートが毀損するという問題があります。MBSのような資産に関しては、米国のように市場が整備されていないため、有効な金額の買い入れができません。

LTRO(長期資金供給オペ)という方法もありますが、市中金利が非常に低い今、これまでのLTRO資金の早期返済が増えている状況で、新たに供給しようとすれば、非現実的な金利で実施するしかありません。

今日のECBはおそらく何も追加緩和を決定しないでしょうが、それはむしろ手詰まり、という意味だと思います。