米雇用統計はトレンドを変えるか?

米雇用統計はトレンドを変えるか?
 雇用統計の数値如何に関わらず、米株高、日本株高、円安トレンドは動かないかと思う。日米当局による大量の通貨供給が継続中なのに加え、景気回復の兆候が見えるためだ。緩和時期のギャップは円安につながっている。
金融相場
 2009年2月の米株の底打ちは、同時期に行われた米連銀の第3次量的緩和によるところが大きい。第3次量的緩和は永遠の緩和とも呼ばれ、結果が出るまでは手を緩めないとしたものだ。結果とは雇用市場の改善と、インフレ懸念の台頭だ。

 第3次量的緩和による大量の通貨供給で、市場はカネ余りとなり、資産インフレが起きた。商品、不動産、債券、そして株式とすべてが値を上げた。しかし、商品価格は供給増に押され、債券価格は2013年6月に米連銀が量的緩和縮小に言及したことからピークを越した。そして、12月には適度な緩和縮小が始まった。インフレ懸念はまだないが、雇用市場の改善が見え始めたためだ。景気回復が見込めるので、住宅価格、株価は上げ続けている。
米雇用の改善
 9日に発表された米12月のチャレンジャー、グレイ・アンド・クリスマス全米解雇者数は前年比5.9%減の3万0623人と、2000年6月以来約13年ぶりの低水準となった。2013年通年の人員削減数は50万9051人で前年比3%減、1997年以来の低さだった。週次新規失業保険申請件数は33万件と1カ月ぶりの低水準だった。

 10日発表予定の12月の非農業部門雇用者数は19万3000~20万人ほどの純増が見込まれている。2013年通年では227万人増となり、2012年の219万人増から加速する見込みだ。前回11月の数値は建設業、製造業が伸び、小売業は今年最大だった10月の反動減となった。失業率は前月と変わらず7.0%の予想だ。

 今夜の数値が予想の範囲内であれば、量的緩和の縮小は継続される見通しだ。景気の拡大による株価上昇が見込めるようになる。一方で、忘れてはならないのが、縮小されたとはいえ、まだ相当規模の資金供給は継続中で、カネ余りが続いていることだ。
金融相場から業績相場へ
 米株は5年近く上げ続けているが、私はまだ買い足りないと見ている。何故なら、米国の個人投資家は不況の株高と言われる金融相場を見逃し、2012年9月末まで株式を売り続けたからだ。日本でもそうだが、個人投資家の業績への信仰は強い。今日の数値が上振れれば、景気回復を更に確信するかもしれない。

 数値が下振れれば、量的緩和の縮小ペースが穏やかになる。結果的により多くの資金が供給されることになり、金融相場の側面が継続する。いずれにせよ、米株高は続くと私は見ている。海外の資金は日本株にも流れている。

 米連銀に遅れて大量の資金供給を始めた日銀は、2013年末に200兆円を超えた資金供給を、2014年末には270兆円にする予定だ。日本株も中長期の上昇トレンドに入っていると思う。

 一方で、現状のドル円相場に最も相関性が高いのが、日米10年国債の金利較差だ。米連銀の縮小、日銀の後発量的緩和は、金利差拡大を暗示している。円安トレンドも継続するかと思う。円安は日本株高を後押しする傾向が強い。