雇用統計の見方を巡る議論

雇用統計~非農業雇用者数
雇用統計で重要な二つのデータが発表されて、その中身のちぐはぐさに市場は混乱をきたした部分が、けっこう尾を引いているようです。
まずは非農業雇用者数ですが、非常に少ない増加数で、ことのほか景気が弱い、とショックを受けた投資家もいます。もちろん例年にない寒波の影響があるのですが、これを差し引いても、弱すぎるのではないか、という悲観論です。
次の1月の雇用統計でも、弱かったら、ちょっと米国景気の順調さについては、考え直さなければならないかもしれない、とまじめに考える向きもいます。
雇用統計~失業率
実は雇用統計ではもうひとつ、失業率のデータが発表されました。これは、実に順調に低下しているわけで、連銀が目標としている6.5%にまでもう射程距離です。
しかも、連銀としては、失業率が目標まで達しても、物価上昇率が伸びていなければ(2%目標にどうしても上昇しない)、量的緩和縮小をどんどん推し進めるということはしない、と言っているわけです。
冷静に考えてみれば、失業率のほうが重要であろうし、非農業雇用者数の悪さは、明らかに寒波による一時要因であり、1月もまだその影響が残っているかもしれません。
ただ、そうした正論は、株価の高さや、これから決算発表の中身に疑心暗鬼となっている状況だけに、正論では通らなくなっているということでしょう。
本当の理由はファンダメンタルズではなく、機関投資家の利益確定
その最大の要因は、少しでも先高感に不安があるのなら、日米株式ともに、取れる利益は出しておこう、という需給的要因が存在するためです。
これを、なんでもファンダメンタルズで解説しようとすると無理があります。
むしろ、利益確定したほうがいいか、ホールドしたほうがいいのか、悩んでいる機関投資家(とくにヘッジファンド)が、この段階でどういうアクションをとるのが自然か、ということがポイントです。
現時点では、まだポジションの縮小を図ろうとする見方が強いような気がします。