米連銀量的緩和の縮小・継続と円安トレンド

テーパリングのペースは継続
米連銀が量的緩和の縮小・継続と、低金利政策の維持を決めた。量的緩和による通貨の大量供給は相対的に何かのモノの価格を上げる。例えば、モノが100のところに通貨が100あると、価格は1で釣り合う。ここに通貨を150にすればどうなるだろうか?

他条件が何も変わらなければ、モノが150で釣り合うことになる。この時、150に量が増えた通貨の価値が100のままだとすれば、モノの値段が150に上がることで釣り合うことになる。通貨供給量が増え、モノの供給量が増えないと、何かの価格が上がる。

米国の量的緩和の後は、日本円、商品、債券、株式と値を上げた。しかし、商品は供給量も増えたので、上げ止まった。CRB指数は2009年2月から2011年5月まで上げてピークをつけた。金先物が1900ドル台をつけたのが2011年9月だった。インフレにつながるモノの価格は供給力が強いので、世界的にはそれほど上がらない。サービス価格も失業率が高いうちは、なかなか上がらないといえる。

円レートは諸外国通貨との交換レートなので、具体的に国境を超える円の動向を押さえることが必要だ。経常収支、貿易収支、資本収支などだ。貿易黒字は長期の円高トレンドの大要因だったが、2011年からは赤字となった。しかし、貿易収支を含む経常収支はまだ黒字だ。その点では、まだ円高圧力が強いという見方もできる。

貿易赤字なのに、経常黒字なのは、所得収支の黒字が大きいからだ。ここで、海外所得は必ずしも円に換える必要はないが、輸入は購入品の支払いなので、まったなしに円売り外貨買いが出る。この圧力で円高のピークが来たと見て良さそうだ。

円安は輸入物価を押し上げるので、貿易赤字はしばらく続く可能性が高い。また、単一の要素でドル円レートと最もよく連動しているのが、日米金利差だ。日銀の緩和継続、米連銀の量的緩和縮小は、金利差拡大を示唆しているので、モノ、資本の流れ共に、円安トレンドは動かないかと思う。