マザーズに大きな変化

上場後10年経過企業に注目
 2013年後半からのIPO市場の活発化や、最近のゲーム関連銘柄の活況で注目度が増している新興株市場だが、その一つである東証マザーズ市場が大きな岐路を迎えつつあるのをご存じだろうか。東京証券取引所主導で市場コンセプト明確化が図られるためで、マザーズ上場後10年を経過した企業はマザーズに継続上場か東証1、2部への移動を迫られることになる。変わりつつあるマザーズ市場に注目したい。
市場コンセプト明確化でどうなる?
 昨年、マザーズ市場から東証1、2部(本則市場)に市場変更した銘柄は3月8日のリニカルを皮切りに14銘柄あった。特に10月以降に7銘柄が集中したが、その中で、市場関係者の注目を集めたのが10月25日に東証1部指定となった豆蔵ホールディングス(3756)と、11月22 日に同じく1部指定となったスカイマーク(9204)だ。

これらの銘柄が注目されたのは、東証がマザーズ市場の存在目的の明確化を図るため、マザーズ上場企業の本則市場への移行を促していることが背景にある。

東証では10年12月に発表した「マザーズの信頼性向上及び活性化に向けた上場制度の整備等について」の中で、市場コンセプト明確化のための対応として、「上場後10年を経過したマザーズの上場会社については、本則市場の上場廃止基準を適用する」としている。
企業サイドの新たなアクション期待
 東証では、市場コンセプトへの適合性確認プロセスの新設として、「上場後10年を経過したマザーズ上場会社は、マザーズへの上場を継続するか、市場第2部に上場市場を変更するかを選択して申請書を提出するものとする」としている。

さらに、マザーズへの上場を継続する際には「申請書に企業価値又は株価の評価に係る専門的知識及び経験を有するものの作成した高い成長可能性に係る確認書の添付を要するものとするが、時価総額40億円以上の場合は当該確認書の添付を不要とする」と明確に位置づけている。

つまり、本則市場と比べて、マザーズ市場は上場廃止基準が緩やかであるため、上場の意義が問われるような企業も存在するので、上場廃止基準を厳格化し、これを淘汰しようというのだ。また、将来の東証1部上場を視野に入れた企業のエントリー市場というマザーズ市場本来の目的を果たすために、14年3月31日以降は、継続上場するか、東証2部へ移動するかの選択が求められることにもなる。

これらにより、今後、マザーズ上場銘柄の本則市場への市場変更がさらに活発化する可能性がある。特に東証1部指定となれば、知名度の向上やTOPIX組み入れに伴うファンドの投資対象となることが期待でき、株価への影響も大きい。また、マザーズ継続企業についても高い成長性が求められることになるため、企業サイドの新たなアクションが期待できそうだ。