<株式トピックス>=日本株急落の背景に政策対応の遅れとの指摘

 5日の東京株式市場は、前日の米国株反発や外国為替市場での円高一服を受けて買い戻しの機運が高まった。ただ、そのなかで一時、日経平均株価が前日比マイナス圏に沈み、1万4000円台を割り込むなど波乱含みの展開。終値は、前日比171円高の1万4180円と5日ぶりに反発した。東証1部の売買代金は3兆3064億円と高水準が継続している。
 市場関係者のあいだでは、今回の急落相場の要因を探る動きが活発化している。世界同時株安の背景には、株式市場が金融相場から業績相場へのバトンタッチがスムーズに行かないうちに、テーパリング(量的緩和縮小)がスタートし、世界に流出していた投資資金が急速に回収されはじめ、これが新興国の通貨下落を招いている点が挙げられている。
 さらに、日本の個別要因については、外国為替市場の円高・ドル安進行が株価下落を加速させていることが大きいという。その背景には、日銀の金融緩和姿勢の変化があるという。日銀は順調な景気回復に自信を示しており、4月から消費税の増税が実施されるにもかかわらず、追加的な金融緩和には消極的なスタンスを続けている。これが、円高の要因の一つともなっているわけで、市場関係者の多くは、大胆な量的緩和のための具体的な政策を早急に打ち出すことを望んでいる。
 なお、菅義偉官房長官は4日、株価急落について「米国経済の不透明感や新興国経済への懸念が背景」との認識を示して、アベノミクスに対する失望が原因との見方を否定した。一方、竹中平蔵慶応大学教授は、2日に「アベノミクスに対する海外投資家の失望感が非常に高まっている。岩盤規制(役所や業界団体が強く反対し、緩和や撤廃が容易にできない規制)に対する改革など、十分な成長戦略を実現できなければ、アベノミクスが腰折れするリスクがある」としている。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)