個人マネー大移動の観測

新興国から先進国
これは一つの考え方です。
過去、何度となく世界経済の波乱の種になっていた新興国の通貨不安ですが、振り返ってみれば、いつもそのときこそ新興国投資が有効でした。
ただ、今回は、そもそも新興国通貨危機が本格的に起こっているとは思えず、かといって中国経済の先行きに不透明感が増大しています。
投資対象を選択する眼は、どう動くのでしょうか。
もともと、低成長の日本から新興国へ向かっていた日本の個人マネーですが、今度は新興国から先進国へ、これからまさに大移動が始まるのかもしれません。
過去の通貨危機でも、とくに2000年以降については、どれも「大火」には発展せず、むしろ問題の深刻さはサブプライムショックの米国や、債務危機の欧州のほうが大きかったでしょう。
ですから、思ったほどは新興国通貨不安には実態がなく、押し目買いが有効だったという検証もされているようです。
ところが、今、現実に新興国経済の成長率が、高いインフレ率を抱えたままでもあり、どうしても押し目買いが有効とは思えない、ということでしょう。日本人にとっても、現地国のインフレ(新興国通貨下落)による為替差損リスクが高まってしまいます。
こうなりまると、日本の個人マネーは、すでに昨年3月から先進国向けが増大し、新興国向けは減少が続いています。
これでこの動きが収束するというのであればよいのですが、むしろここから一段と強まる可能性も比定できません。
しかも新興国経済の成長ペースのばらつきが大きくなってしまっているため、世界的なパワーバランスが崩れ、欧米先進国復活にはまたとない間隙となるかもしれません。