円安効果

輸出製造業の収益力が復活
円安を受け、日本を代表する輸出製造業の収益力が復活してきた。4日までに製造業で4~12月期の決算を発表したのは376社。9カ月実績を集計すると売上高は前年同期比13%増、経常利益は83%増だった。

円安を受けと、書き出したところに抵抗を感じる人がいるかもしれない。日本の輸出製造業は生き残りをかけてコストカットや、事業の選択と集中など、構造改革を行ってきたからだ。
また、円安でも輸出数量は伸びていないので、円安の恩恵がどこにあるかと疑問に思う人もいるだろう。

ここで、仮にコスト80円で作ったものを、ドル円80円時代に輸出していたと考えてみて欲しい。1億ドルの売り上げは、80億円となり、赤字すれすれだ。これが、ドル円100円になると、売り上げが100億円になる。輸出数量が同じでも売上20%増となる。利益は、コストの上昇を鑑みても、赤字すれすれから10数億ほどの黒字となる。輸出数量が減り売上げが16%増で、国内分が赤字でも、経常利益83%増確保は不思議ではない。

構造改革が業績改善に貢献したことは否定しない。
しかし、コストカットをせずにひたすら研究開発を推し進め、海外現地生産も行わずに、円安だけで救われた企業があったとすれば、製品そのものもコストも競争力が2割増となり、輸出数量も伸びて、売上げ、利益ともにダントツになっていた可能性も否定できない。

一方、どんなに構造改革を進めていても、今のドル円が70円になっていたならば、どれだけの企業が増収増益でいられただろうか? 為替レートの影響はとんでもなく大きなものだ。諸悪の根源は突出した円高だったのだ。

日本が貿易赤字となったのは2011年からだ。円相場はその頃から天井感が出て、赤字の拡大と共に、円安に転じた。また、ドル円レートと最も相関性の高い日米金利差は、今後拡大する可能性が高い。円安トレンドがしばらく続く可能性は高いのだ。目先の円高局面は単なる調整かと思う。