足並みが乱れる欧米の金融政策

未だ深刻な欧州問題
先日の議会証言で、イエレンFRB議長は予定通りの量的緩和縮小を続けていくと示唆した。

また、BOEは2014年のGDP伸び率を3.4%増と、従来予想の2.8%増から引き上げ、向こう3年間の経済成長率見通しを大幅に上方修正した。BOEは、市場が2015年第2四半期の利上げを織り込んでいると指摘。市場予想に沿った利上げは、消費者物価指数上昇率をBOEが目標とする2%近くに維持することと整合的だとの見解を示した。また、金利上昇は漸進的になると強調、最終的な英金利水準は金融危機前の平均である5%をかなり下回る水準になるだろうとした。

一方、ECBのクーレ専務理事は、マイナスの中銀預金金利について、ECB内で「非常に真剣に検討している」選択肢だと述べた。

米英では金融緩和の成果が現れ、出口戦略が取り沙汰されるようになっている。緩和継続による過度なインフレと、緩和終了による景気の失速とを共に回避する戦略で、これまでのところはそれなりに予定通り進んでいる。

住宅価格の上昇は、中産階級にとって手の届かないところまで上げると問題となるが、今のところは一部大都市圏の過熱地域だけに留まっている。

株価の上昇は、過大なレバレッジにより買い上げていない限り、問題よりも恩恵の方がはるかに大きい。現状では、全く問題のないレベルだといえる。

一方のユーロ圏は失業率の高止まりが深刻な状態となっている。13日に発表されたギリシャ11月の失業率は28%と、過去最高水準を更新した。そんな中での、マイナス金利発言だ。世界のカネ余りでスペイン、イタリアなどの国債はユーロ導入以来の最高値(最低利回り)を更新するなど債券高、株高で、最悪期を脱したかのように見えているが、欧州危機の根は深いのかもしれない。

主要中央銀行の足並みのこの乱れは、先行きの米ドル高、英ポンド高、ユーロ安、円安を示唆している。