<話題の焦点>=高吸水性樹脂に商機、高齢化とアジア向けで紙おむつ需要加速

 日本は少子化が進む一方、近年一段と高齢化社会の様相を強めている。その影響もあって大人用紙おむつ市場の拡大が顕著だ。

 乳幼児用紙おむつ市場は出生率の低下で減少傾向にあり、2012年の統計では金額ベースで1390億円となっているが、それに代わり大人用紙おむつ市場は拡大の一途、同年には市場規模が逆転し、1590億円と200億円も乳幼児用を上回っている状況にある。これが、衛生用品メーカーのみならず、その素材を手掛ける高吸水性樹脂メーカーの商機拡大につながっている。

 一方、海外に目を向けると、アジアでの乳幼児用紙おむつ市場が急拡大している。同市場の拡大はGDPとの相関が強く、具体的には1人当たりGDPが4000ドルレベルに達すると普及が加速するという。中国にとどまらず、アジア地域はこのGDP水準に到達しつつある半面、乳幼児用紙おむつの普及率は各国とも30~40%にとどまっている現状から、市場開拓余地も大きいとみられている。

 この好環境を全面享受しているのが、高採算の高吸水性樹脂を生産する国内大手3社(住友精化、日本触媒、三洋化成工業)だ。紙おむつは商品グレードに伴い、高吸水性樹脂の性能が厳密に設定されている。これが過度な価格競争を回避し、高採算が確保される背景にもなっている。

 今後はアジア各国でも日本に続き高齢化の波が押し寄せてくる。そのなか、クオリティーで先駆する日本の高吸水性樹脂メーカーは、中長期的なシェア確保と収益成長力を維持する公算が大きい。株価面でも見直しが進みそうだ。

◆高吸水性樹脂で収益追い風の3銘柄

 銘柄<コード>    業態に関するコメント

住友精化<4008.T>  高吸水性樹脂主力でハイグレード品に強み。昨夏、生産能力増強
日本触媒<4114.T>  樹脂は原料から一貫生産。一昨年の爆発事故からの復旧が進展
三洋化成<4471.T>  生産拠点は国内と中国に確保。中国で生産増強、来年7月に稼働

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)