<私の相場観>=光世証券・市場営業部門トレーディンググループ課長代理 小川 英幸氏

 新興国経済の不安やアベノミクスへの期待の剥落を原因として、日経平均株価は昨年末の高値から10%超下げている。しかしこれまで上昇のスピードが速かった分、腰を据えた資金にとって今回の下げは良い買い場だろう。

 株価の急速な下落から「アベノミクスは終わった」という声も聞かれるが、(1)法人税の減税の議論は前向きに進んでいる、(2)日銀は景気見通しが予想より悪くなれば追加緩和を行うという姿勢を見せている、(3)企業業績は良い―という現状から、そのような見解は相場の動きに流されただけの意見といえる。

 懸念されるのは中国経済だ。2月のHSBC製造業PMIは48.3(予想49.5)と予想を大きく下振れ、先行きに一層の不安を抱かせる内容だった。また、拡大するシャドーバンキングの破綻が心配されており、それが中国の不動産価格の下落の引き金となることが最も恐れられるシナリオだろう。

 不動産バブルが崩壊した場合、中国の消費が落ち込むとともに、世界経済も減速しかねない。しかし今のところ、その可能性は低いと考えている。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)