マーケットを揺るがすウクライナ情勢

そもそもウクライナとは?
ウクライナは1991年にソ連崩壊に伴い独立した国家であるため、多くが旧ロシア人であり、ロシア語を話す人が数多くいます。

西側がユダヤ人の多い「親欧米派」、東側がロシア系住民の「親露派」と分かれています。
東側は地下資源が多く豊かで独立を主張していますが、西側はあのチェルノブイリ原子力発電所があります。

こういった要因もあることから、長きにわたり政治においても長きにわたり混乱が続いていました。

事態の発端
今回は、2013年11月頃から始まった政治不満に対するデモが発展・暴動化し、2010年の選挙で勝利したヤヌコビッチ大統領及び閣僚が強制的に崩壊させられた形となっています。

このことから、ウクライナの信用不安が高まり、2月19日にはウクライナのドル建て債が軒並み過去最安値を更新し、ウクライナの通貨であるフリヴニャが暴落し、対ドルで1ドル9フリヴニャと5年ぶりの安値をつけています。

ロシアが昨年12月にウクライナへ約束した支援を2月21日で凍結したことから、イタリアなどの国債保有国にも不安が広がり、近隣国であるトルコリラも暴落しています。
同国国債利回りは、年初の10%前後から30%へと急騰しています。
直近のウクライナ動向
2月21日にこの事態を重く見たEUはEU緊急外務相会合を開催しました。

ここで、ウクライナによる制裁が決定され、これがヤヌコビッチ大統領の解任、政権崩壊への最後の一押しとなったようです。

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は21日(日本時間22日早朝)、「債務不履行の可能性が高まった」と指摘し、ウクライナの外貨建て長期債務格付けを「トリプルC」に1段階引き下げました。

ウクライナの政府債務残高は日本円で約6兆円を超えており、この中に先進国の機関投資家の資金が多く流入しいることから、1月末に起きたアルゼンチンショックのような新興国不安が再び高まりかねない状況にあります。

27日には、武装集団が地方政府庁舎と議会の建物を占拠し、ロシア国旗の掲揚。

この日の日本時間20時頃、北朝鮮が日本海に向けミサイルを4発発射するという事態も起こりましたが、これに対する反応は薄かったようです。

翌日28日にはクリミアでロシア軍とみられる武装集団が2つの空港を占拠、その後もう1カ所の空港も占拠しました。

1日にプーチン大統領は議会上院から軍がウクライナ国内で行動するための承認を取り付け、クリミアを中心に軍を展開している模様。
先週末には、オバマ大統領はプーチン大統領、メルケルドイツ首相と電話会談を行い、安全保障理事会の緊急集会も開催されました。
明日4日には、ケリー国務長官がウクライナの首都キエフ訪問予定のようです。

株式・為替市場は日本時間・欧州時間は売られるものの、米国の経済指標が改善されると急騰し、それまでの下げを帳消しにする展開が続いています。

金曜日のNYダウは一時高値から150ドル以上急落しマイナス圏に入ったものの、引けは+49ドルと強さを見せています。

本日の下落も、週末に発表された中国の製造業PMIが前月50.5よりも悪化し50.2となったことが主な要因かもしれません。

ロシアの強硬姿勢から解決までの糸口が見えづらいウクライナ情勢ですが、これまでの株価と為替の反応を見る限り、あまり深刻なものとは考えていない市場参加者が多いのかもしれません。