ウクライナ情勢悪化でリスク回避の円買い

ECBの利下げ観測は後退
金曜日の海外時間には、ECBによる緩和期待が後退してユーロが買われました。一方、ウクライナ情勢が悪化したことから円買いが強まっています。

欧州時間、発表されたユーロ圏・2月消費者物価指数が、予想よりも高い結果だったことから、ECBによる追加緩和観測が遠のいたことからユーロ買いが強まって、ユーロドルは1.3910台まで、ユーロ円は140.70円台まで急騰しました。その後全般的に株式市場が堅調だったことから円売りがやや強まって、ドル円は101.90円台まで、ユーロ円は140.70円台まで上昇しました。

NY時間にはいって、発表された米・第4四半期GDPなどは予想よりもやや弱い結果でしたが、米長期金利などに与える影響は限定的なものでした。しかし、その後に発表された米・2月シカゴ購買部協会景気指数、2月ミシガン大学消費者信頼感指数が予想よりも強い結果となると、米長期金利が一段高となって、各国株式市場も上昇、リスク選好の動きでドル円は102.20円台まで、ユーロ円は141.10円台まで上昇しました。しかし米長期金利の上昇が一段落すると、ドル円は102.00円付近まで、ユーロ円は140.80円付近まで反落しました。

NY時間午後、「千人規模のロシア兵がクリミア半島に上陸」と報じられると、米長期金利が低下する中リスク回避の円買いが強まって、ドル円は101.60円台まで、ユーロ円は140.40円付近まで下落しました。

週末に、ロシア議会がプーチン大統領が提案した「ウクライナの社会、政治情勢が正常化するまで同国領内でロシア軍を利用する」との議案を全会一致で承認したことから、週明けの東京時間には米長期金利が低下し、円が一段高となっています。

今日の海外時間には、ユーロ圏・2月製造業PMI、英・2月製造業PMI、米・1月個人所得/個人支出、米・2月ISM製造業景況指数、米・1月建設支出の発表と、ドラギ・ECB総裁の議会証言が予定されています。

一番の注目点となっているウクライナ情勢ですが、今すぐに軍事的な衝突が起こるとは見られていません。しかしロシア議会がウクライナ領内での軍事行動を承認し、すでに数千人単位のロシア軍が展開していることから、偶発的な衝突の可能性もあります。またこの事態をうけてアメリカは「ロシアを経済的に孤立させる」としており、リスク回避の動きが強まりやすい環境の中で、円が一段高になる、と考えられます。