<ウクライナ緊迫化をどうみる> 第一生命経済研究所・主任エコノミスト 桂畑誠治氏

 ウクライナ情勢を巡る情勢は、いまのところ、どこで落ち着くかが見えてこない。当分、市場の懸念材料として残る可能性がある。現在の情勢が、米国の株安、それに原油高・円高となり結果として日経平均株価への逆風となることが懸念される。 
 ロシア軍がクリミアに入り、ロシアはどこまで何を要求しようとするのかが見えていない。ロシア人の安全を求めるだけとは思えない。最終的にはクリミア全体を欲しているのだろうが、西側はそれは容認できない。
 ロシア軍とウクライナ軍による軍事衝突が発生することがリスク要因であり、そこにNATO(北大西洋条約機構)が絡めば、それは最悪のシナリオとなる。ただそこに至らない形で収める努力はされるだろう。
 今月末のクリミア自治共和国での住民投票の結果が注目されるが、その結果で情勢が落ち着くかも定かではない。シリアと異なり、ウクライナはロシアの隣国であり簡単に引き下がれない。今後、ロシアと西側は新たな冷戦に向かう事態も考えられる。
 ウクライナ情勢がこう着状態に陥れば、いったんマーケットは落ち着くかもしれない。ただ、いまのところ良いシナリオは描きにくい。それだけに、ウクライナ情勢は当面リスク要因として捉えざるを得ない。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)