日経平均は辛うじて、下値切り上げ維持。ドル円は、支持線割り込む

下げ幅縮小も、朝方の高値14684円を越えられず
後場は、ずっと持ち合い状態が続きましたが、13時50分を境ににわかに買い戻しの動きが出ました。
グローベックスの先物が、ダウで95ドル安気配と、やや落ち着いてきたということとあいまって、東京市場でも、安値から200円幅の戻りになったようです。
(もっとも、グローベックスは、その後、大引け後に再び101ドル安気配になっていますので、まだ商いも少ないこともあって、流動的です。)
ただ、今晩の海外市場のウクライナ問題に対する反応を確認しなければどうにもならないといったコメントが市場には多いようです。
上海市場は、思いのほか堅調にプラスを維持していました。
ただ、例によって電力ガスが、数少ない上昇セクターであったことを見ますと、本日の相場はほとんど打つ手無しの状態だったことがうかがえます。
増田足
日経平均の現物は、6色帯が5日連続の「白」。
現物は、200日移動平均線を、前場に割り込んだりしましたが、大引けではかなり下ヒゲを引っ張って、同線を上回るので、危機は目先回避した、という感じでしょうか。
しかし、やはり問題は、ドル円でしょう。
例の、日足チャートの煮詰まりは、完全に下放れてしまいました。
もともと4日の100.80円、17日の101.35円の延長線がレジスタンスだったわけですが、本日けっきょく101.21円まで突っ込んでいますから、レジスタンスを割り込んだことになります。

このドル円の不穏が、足元で落ち着きませんと、日経平均のほうも戻りが出てきにくいでしょう。
幸いなことに、東京時間大引け、そしてその後は、今のところ101.30円台で、多少ともドルが下げ渋っています。
にわかに高まる地政学リスクと金価格
<北朝鮮のミサイル発射>
北朝鮮が、米韓演習を牽制する意味でしょうか、ミサイル2発を発射。
朝6時20分ごろだったようですが、日本海に向けて短距離弾道ミサイルを連続で2発発射したようです。(27日にも4発発射していたことが確認されています。)
ウクライナでは、依然としてロシアの軍事介入秒読みという状況が続いています。
G7が、6月のソチでの首脳会議を当面見合わせるとして、ロシア非難声明を出しているようです。
ウクライナ海軍も、一部、クリミア自治区(親ロシア系、あるいはロシア人が多い)で、ロシア軍に寝返る動きがでてきているようで、国家分裂が危惧されています。
にわかに先週から地政学的リスクが高まっていますが、これを如実に反映しているのは、金価格の動きでしょう。

<金価格とドルの目安>
27日の解説で、連銀が金融政策変更を示唆した昨年5月以降、金は1400-1450ドル近辺、ドル円で100-103円近辺が、それぞれの高値となっていました。
(ドル円の安値は、93-97円近辺でした)
金が、25日の高値1342ドルからむしろ下落してきていることは興味深いところです。
200日移動平均線を奪回したところで、とりあえず一服か、と書きましたが、このウクライナ情勢がにわかに緊迫化した中で、今晩、金価格が上値をとりにいくようなことができないとしたら、(仮にも続落してしまうようなら)金融市場のこの地政学リスクの織り込みというものは、あまり大きな問題とは認識していない、ということになりますから、この金価格の動きはチェックするようにしましょう。
金が上がるようですと、株式相場はまだ不穏だということになります。
ちなみに、原油も影響を受けており、104ドルへ上昇しているようです。これも株式相場不穏を意味しているのでしょう。

<新興経済国家不安の再燃>
中国での人民元急落(当局の誘導)や、昆明駅でのイスラム教徒による大量無差別殺人なども合わせますと、いわゆる新興経済国家の不安定性を印象づける材料が目白押しです。
これら海外での悪材料を、東京市場が一番最初に織り込む格好になりますから、売り仕掛けをしやすいということも、東京市場にとっては不幸なことです。
ただ、これら地政学的なリスクや、社会の不安定性というものは、今に始まったことではないため、かなり一過性の可能性が高いでしょう。
そもそも、ユーロが急落してもおかしくない材料ですが、ユーロは対ドルでむしろしっかりですし、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)も、さほど激しく動いている様子もないようですから、個人的にはあまり心配していません。

<ロシアは、欧米と落としどころを模索する>
ウクライナの問題も、ロシアとしては既得権である黒海の制海権を失うかどうか、という瀬戸際です。一見、無理難題のごり押しをしているように見えますが、欧米との落としどころを模索する姿勢は維持したままです。
オバマ大統領とプーチン大統領が、1時間も電話をするという状況ですから、日本vs中国・韓国のような、デッドロックに乗り上げて、お互い無視という関係とはまったく違います。
間違いなく、「引くに引けない状態にあるロシア」のために、落としどころを模索する「相談」がなされているのでしょう。
7日からソチでパラリンピック開催が控えているので、ロシアとウクライナが軍事衝突をするとう可能性はない、という見方も市場にはあるようです。

<後場の状況>
ウクライナ暫定政権に反旗を翻してロシア側に寄ったともいわれた、ウクライナ海軍の一部が「白旗」を掲げたといったような報道もされており、欧州側の暫定政権への金融支援など前向きな方針といったことも合わせ、相場のほうも多少、落ち着きを取り戻し始めているように見えました。この問題の株式市場へ与える影響が長引くと予想する向きは、5月のウクライナの大統領選挙までかかるだろう、という意見を持っているようです。