ぜんぶ雪のせいだ!?=外為どっとコム総研 神田卓也

ぜんぶ雪のせいだ!?
ドル/円は、昨日のNY市場で103円台を回復した。ウクライナ・ロシアの緊張緩和というリスク選好の下地があったとはいえ、本日の米2月雇用統計に下ブレが警戒される中で約1カ月半ぶりの高値を付けた格好だ。

米2月ISM非製造業景況指数の構成要素である雇用指数が大幅に悪化した上に、米2月ADP全国雇用者数が予想を下回るなど、2月雇用統計の先行指標には冴えない結果が目立っている。それでもフライング気味にドルが上昇した背景には、たとえ弱い雇用統計でも「雪のせい」にしてしまえばドル安圧力になりにくいという一部の参加者の読みが影響したものと考えられる。

昨晩講演を行ったFRB当局者3人(ロックハート・アトランタ地区連銀総裁、ダドリー・NY連銀総裁、プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁)は、異口同音に量的緩和縮小のペースを緩める可能性に否定的な見解を示しており、FRBのこうしたブレのない姿勢が市場に安心感を与えていると見る事も出来る。
つまり、1-2月は米国の多くの地区が異常寒波に襲われたため一時的に経済活動が緩んだが、春の訪れとともに回復基調を辿り、量的緩和の縮小も計画通りに実行されるという楽観シナリオが支配的なのだろう。

こうしたムードの中では、2月雇用統計の最大の焦点である非農業部門雇用者数の増加幅が予想(14.9万人増)を下回ったとしても、10万人以上増加していれば及第点と評価されて、ドルの下値は限られそうだ。反対に、もし予想を上回る増加幅となれば、ポジティブ・サプライズとなるため、ドルの上昇余地は大きいという事になる。
「雪のせい」で及第点のハードルが下がっているのだとすれば、フライング気味のドル上昇も頷けよう。