<株式トピックス>=過去最大、1月1.6兆円の経常収支赤字額は看過できない

 とうとう、1カ月間の経常収支の赤字額が1兆円を大きく超える事態となってしまった。 財務省が10日発表した1月の国際収支速報によると、経常収支の赤字額が前年同月に比べて1兆2406億円も増加して、1兆5890億円と膨らんだ。経常赤字は4カ月連続で、単月としては、統計上で比較可能な1985年以降で過去最大を記録した。
 昨年12月の経常赤字は6386億円と単月で過去最大だったが、1月の経常赤字額はこれを大幅に更新。初めて1兆円の大台を超え、巨額赤字となってしまった。輸出から輸入を差し引いた貿易収支の赤字額が1兆384億円増加して2兆3454億円に達した。輸出は自動車や化学製品の好調で、11カ月連続で増加して前年同月比16.7%増の5兆5167億円と拡大している。
 ところが、輸入は原油やLNG(液化天然ガス)などの燃料や半導体電子部品などが引き続き拡大。円安加速もあって、前年同月比では30.3%も増加して7兆8620億円と肥大化し、輸出の伸びを大きく上回った。
 これによって、13年度に経常黒字を維持するには2、3月合わせて1300億円強の黒字を確保する必要があり、2013年度は現行統計で初めて赤字に転落する可能性が濃厚となっている。
 これまで株式市場では「円安=株価上昇」という公式が成り立っていたが、日本の経常赤字が急速に膨らんで、それに伴い円安がさらに加速し、国内の預貯金など個人資産が海外に流出するような事態にでもなれば、家計の純資産が政府債務を大きく下回り、日本国債の暴落というようなことにもなりかねない。
 さらに、懸念されるのは、赤字額削減に向けてLNGなど発電用資源の輸入を抑えることを口実に、原発の再稼働を加速させようという議論が正当化されてしまうことだ。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)