中国リスク発生かどうか~現時点での解釈

中国、デフォルト容認へ
結論から言えば、目先果たして中国リスクが炸裂しているのか、というと、おそらく無いと判断されます。
中国が、上海超日のデフォルト(債務不履行)に見られるように、救済するケースと、見捨てるケースがでてくることになりそうですが、当然のことでしょう。
これは、今後長期にわたって中国政府を苦しめる構造問題になってきています。
銅市況の急落
むしろ、それよりも、金融市場が嫌気しているのは、先週から顕著になっている銅市況の急落でしょう。
LME(ロンドン金属取引所)で、暴落に近い銅価格の下落が続いています。銅は、中国が世界の4割をがぶ飲みしている状態ですから、とりわけ影響が大きいわけですが、実需のみならず、投資目的も相当膨張しているようです。
しかも、今回問題の理財商品のデフォルトに関しては、その担保となっているケースも多いようで、この投売りがでていると言われます。
銅というのは、産業のベースメタルですから、非鉄商品価格の下落は、景気の悪化と通常は結びつく話です。ところが、今回はそうでは無いように思われます。
非鉄と世界景気の乖離
実際、ここ2年ほど、非鉄商品価格は下落、あるいは低迷。
一方米国を中心として先進国景気が回復途上。ということで、従来の非鉄と世界景気のリンクは、はずれてしまっています。
非鉄はあくまで新興経済国家の景気自体(とくに中国など、輸出主体)を観る場合には有効でも、先進国景気(内需主体)を観る上では、あまり参考にならない状態が続いています。
銅以外は、値崩れしていない
しかも、もし中国が本当に経済状態が悪化の一途を辿っているというのであれば、ニッケルやアルミなども暴落商状となっていていいのですが、このような下げになっているのは銅だけです。
アルミは、停滞しているだけで、特段の異変は見られません。
ニッケルに到っては、むしろ上昇しています。
中国リスクは、実は炸裂していない
さらに、一番金融市場の不穏が、真に危険に直面しているのだとすれば、中国の銀行間金利が急騰しているはずですが、現在1.9%と低位で動いていません。中国の理財商品を巡るデフォルトが相次いだとしても、連鎖する危機感から恐慌状態になるのではないか、といったような兆候は、少なくとも現地中国においては、見られません。
結論として、この問題は一過性であり、中国のファンダメンタルズ自体は、今のところ底入れから回復途上であるという見方のままで、変更無しと考えます。
東京市場は、SQ前ということもあり、常日頃の極端に外患に弱い市場特性(国内投資家が、先進国にしては以上に未発達・未熟。)、換金売りに好都合なほど規模が大きい、といった要素が折り重なった上での、大きな下ブレであろうと解釈します。
中国リスクの真相~地政学?
こうしてみますと、銅価格下落もさることながら、もっと長期にわたる、深い中国の内部問題を市場が気にしている可能性も考えられます。
ひとつは、直近のマレーシア航空消息不明事件でしょう。
クアラルンプル発、北京行きの旅客機が、洋上で忽然と姿を消した事件です。
日本などでは、まだそれほど多く報道されていませんが、中国では圧倒的にテロ事件であるという報道が多いようです。
中国国内の報道では、イスラム系(国内のウィグル系)によるテロであるといった見方が大勢を締めて来ています。ことの真偽はともかく、直前に昆明駅舎内における大量無差別殺人事件があったばかりだけに、漢民族vsイスラム系(あるいは国内少数民族)といった対立構造が、にわかに露呈してきていると、もしかしたら市場は警戒しはじめているのかもしれません。

景気や金融問題と違い、この問題は根本的に中国の体制を揺るがしかねない「核のボタン」とさえ言われているものですから、これが原因であるとしたら、話は非常に厄介になってきますので、今後ニュースには注意をくばるようにしましょう。