これで、200日線割れ、連続8日

大引け前、やや引き締まる
本日、権利付最終売買ですが、後場はまったく凪(なぎ)と言ってもいいくらい横這いです。
ドル円も終始102.20円台で推移。
特段上にも下にも動きがありません。

ただ、個別銘柄の買い戻しの様子からは、機関投資家の売りは一巡したのではないかという認識が強まっているようです。
その印象を強くしたのが、いすゞ7202の反発です。3月12日以降、24日までに8%の下落となっていた同銘柄が大幅続伸になっています。
一般的な投資指標として使われるPERでも、9倍という低さです。割安とみた買いも入っていることでしょう。
ただ、日経平均のレンジ幅は、後場に入って一段と狭くなりました。

例の大引けで、TOPIXに買い物が入るのではないか(配当落ちをはさんだポジション調整)ということでしたが、判然としません。
ただ、日経平均にしろ、TOPIXにしろ、最後の5分ほどでぐっと上に動いたことは確かです。
TOPIXのほうは、後場の高値1171を抜いて、1172で終わっています。
配当再投資の買いが入ったのかもしれません。
増田足
<直近の下げ要因>
ひとつは、欧州系ではないかと言われるロングのファンドが、解約などの資金回収があり、持ち株の主力大型を処分売りしたこと。
これに、ヘッジファンドが便乗して、かなり乱暴に空売りを仕掛けたのではないか、ということ。
さらに、年金運用の代行返上の動きが始まっており、年度末でそのポジション調整が出たのではないか、ということ。
以上が今のところ、市場で指摘されている下落の要因と言われているものです。
だとすると、きわめて需給的な要因であり、ファンダメンタルズのトレンドが壊れる話ではまったくありません。

<それでもまだ上がらない>
本日が、権利付最終売買日ですから、そろそろこうした需給的な要因で下げていたのだとすれば、一段落して戻り相場が出てきそうなものです。
今のところ、まだその明確な傾向は出ていません。
日経平均は、200日移動平均線を連続8日にわたって下回っています。
幸い、5日移動平均線は恒常的に上回るようになりましたから、この両線にはさまれて、煮詰まり始めているようです。
エネルギーが蓄積されているとしたら、そして出来高がやはりまだ薄商いであるとしたら、売り圧力もほぼ枯渇しつつあるということでしょうか。
先日述べましたように、売買規模に対する空売り比率は記録的に高い水準ですから、売り手としてはほぼ限界線であると判断できます。
あとはきっかけ次第ということでしょう。

<先読みは、依然として下げ止り、底這い状態を想定>
あいかわらず、増田足では日経平均の先読みが、せいぜい下げ止り、底這い状態を想定しているていどです。
6色帯は8日連続の「黒」。
増田レシオも、次第に底入れから鎌首を持ち上げようとしているかに見えますが、明確ではありません。
ちなみに、一目均衡表で見ても、日足ベースでは、抵抗帯(雲)の下で停滞しており、どうしてもこの横這った抵抗帯の突破を試みる兆候は見られません。
ただ、そうこうして伸び切れずにいますと、いよいよ13週移動平均線と26週移動平均線がデッドクロスしてきてしまいますから、とにかく200日線突破をまず成就してもらわないと、テクニカルにはきわめて不利な形勢に追い込まれることになります。
この点は留意しておきましょう。
最も悲観的な見通し
ここで紹介する東京市場の見通しは、あくまで最も悲観的なケースです。
わたしは個人的に、このシナリオを採りませんが、市場にはこの悲観論が次第に台頭してきているので、紹介しておきます。

<動かない日銀>
4月の消費増税で、日銀が政策発動することは無い、という前提から始まります。
これは、同意します。
消費増税は織り込み済みであるという認識に立っている日銀としては、まず政策をうちだすことはないでしょう。
仮に、景気失速が思った以上のものだとしても、それがマクロ経済指標上で判明してくるのは、5月以降の分、つまり6-8月あたりでしょう。
その過程で、日銀が動くということは考えられます。

<結局、株が下がった後に日銀が動く>
つまり、2-3月と下落した東京市場が、4月にもこれを警戒して上がれず、5月に出てくる経済指標が思った以上に悪いという場合に、5月以降、一段と安値を切って行くというシナリオが想定されるわけです。
日銀が動くとすれば、その株式相場の値崩れで、なし崩し的に5月当たりに政策発動をするか、やはり6月以降に打ち出すことになるか、いずれにしても東京市場の滑落以降に、ようやく日銀が動くということになります。

<日米株式相場の乖離>
このシナリオですと、米国市場が仮に新値更新をしていったとしても、日経平均はそれとはまったく反対に安値更新をしていくというシナリオになります。
このシナリオは、もちろん無いとは言えません。
しかし、盲点もあります。
この悲観論の盲点は、頼りは日銀だけで、政府はなにも打ち出せないという前提に立っていることです。
政府は、確かにこのところ行動ピッチが遅くなっていますし、消費税増税でアベノミクスそのものの一貫性が揺らいだことも事実でしょう。
但し、経済特区構想や、追加の補正予算、法人減税など課題はいくらでもあるわけで、これらをすべて期待できないと決め付けるのもどうでしょうか。
目先、月末までに経済戦略特区が公表されるはずですから、まずは日銀よりもなによりも、この公表の内容と市場の反応に期待したいと思っています。

<国家戦略特区>
正式には、「国家戦略特区」と呼ばれるものですが、去る18日の記者会見で、甘利経済財政・再生相が、地域を絞って規制緩和や税制優遇を見富めて、経済活性化をめざす国家戦略特区に関して、安倍首相が今月末に具体的な対象地域を公表すると表明しています。
東京都、および神奈川県と中心とした首都圏と、大阪府に京都市や神戸市を加えたエリアを正式に決めることになっています。
容積率の緩和や外国人医師の診察解禁などを通じ、国際的なビジネスや医療の拠点にすることになります。

<まとめ>
先述のような悲観論は、必ずしも妄言ともいえません。
日銀がそうそう安易にカードを切るとは思えません(ましてや、現状に自信を見せているくらいですから)。
やはり政府による成長戦略など、新味のある材料を出さない限り、2年目のアベノミクスを支える口実が希薄になっているのでしょう。
一説には、スペインの長期金利が、戦後最低にまで低下したことなどから見ても、南欧の債務危機は完全に「終わった」という認識でしょうし、ECBは一段金融緩和のカードをチラつかせています。
これだと、持ち直しつつある南欧や、あるいは東南アジアの株式相場の戻りをとりに行くほうが早く、楽だとグローバルマネーが思い始めている可能性は否定できません。
要するに、日本株の投資妙味が、一時的にせよかなり相対的には劣ってきているということが、課題になっているのでしょう。
日経平均が200日線をかくまで奪回できずに足踏みしているというのは、どうも個人的には符に落ちません。