【IRアナリストレポート】日進工具(6157)

ポイント


 刃先径6㎜以下の超硬エンドミルメーカーとして、業界トップである。今2013年3月期は、経常利益で1050百万円(前年度比+1.7%)と小幅増益に留まろう。タイ向けの輸出は回復してくるが、在庫積み増しの一巡と原料高が影響してくるからである。円高や欧州の市場環境も懸念されるが、スマートフォンなど微細加工分野は広がっている。新製品の開発も進んでおり、当社製品のビジネスチャンスは広がっていこう。

 リーマンショックを克服したところで大震災の影響を受けたが、業績は急ピッチで回復した。需要拡大と在庫積み増しに伴う生産効率の向上が寄与したことによる。円高下にあっても当社の競争力は強く、主力商品のシェアは着実に上昇している。震災後仙台工場は約1ヶ月で復旧し、増産体制を強化している。在庫は従来の水準より多めの3.5カ月分を持つことで、不測の事態にも対応できるように準備した。

 当社の中期戦略のコアは、超微細化、長寿命化を追求する中で、得意とするニッチ市場でシェアを上げていくという点にある。超硬小径エンドミルでシェアを32%から40%へ上げていく方針である。海外売上比率も20%から30%に高めていく計画である。それを担う技術力の向上や製品開発にも力を入れており、CBN(立方晶窒化ホウ素)素材を利用した硬いものを切削するエンドミルでも、LED、燃料電池、医療用製品などの加工用などで市場を開拓している。CBN エンドミルは高付加価値商品として、既に収益化している。次のダイヤモンドエンドミルの開発も進んでいる。

 韓国、台湾、中国の企業との競争については、性能、品質面でのバラつきから見て、今のところ競争相手になるほどではない。当社はメイド・イン・ジャパンを基本とし、2つの戦略を実行している。新製品の開発、生産性の向上である。生産性の向上では、自社開発機による無人化に力を入れており、設備投資を増やしている。

 売上高経常利益率を20%に戻すことを目標にしているが、17%台までは戻っている。ROE も9%を越えてくる。収益力の回復を反映して、今の低い PBR も見直されることになろう。徹底してマイクロ工具にこだわる当社のニッチ戦略(グローバル・マイクロ・カテゴリー戦略)に注目したい。


1.特色 超硬小径エンドミルで業界トップ


2.強み 一貫した集中と差別化で攻める


3.当面の業績 小幅増益を見込む


4.中期経営戦略 さらなる小径化・長寿命化を進め、海外も拡大


5.企業評価 競争力の強化で先行


日進工具(6157)

企業レーティング
B

株価(2012年5月30日)
2735円

PBR
0.64倍

ROE
9.0%

PER
7.1倍

配当利回り
2.8%

時価総額
43億円(1.56百万株)

総資産
7906百万円

純資産
6678百万円

自己資本比率
84.5%

BPS
4272.6円

単位=百万円、円

決算期
売上高
営業利益
経常利益
当期純利益
EPS
配当

2006.3
5137
1074
1087
638
394
42

2007.3
5579
1124
1155
659
421.7
64

2008.3
5892
1245
1271
727
466.7
77

2009.3
5251
1014
1052
598
388.8
70

2010.3
3857
261
361
242
157.6
30

2011.3
4977
794
834
426
277.5
50

2012.3
5781
962
1032
535
343.7
70

2013.3(予)
6190
1020
1050
600
383.9
77

2014.3(予)
7000
1180
1210
690
441.4
88

(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。


企業レーティングの定義:当該企業の、①経営者の経営力、②事業の成長力・持続力、③業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。


レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/niltusinnkougu201205.pdf