【IRアナリストレポート】オーウイル(3143)

ポイント


 今2013年3月期の営業利益は360百万円(前期比-18.0%)と、かなり落ち込む予想である。原料価格の上昇や製品価格を慎重に見ていることによる。主力の3部門である食品副原料(飲料用ビタミンCなど)、乳製品(殺菌乳)、農産物・同加工品(紅茶、トロピカル果肉など)の市場開拓が進み、アイスクリームの製造販売についても、黒字化にのせてくるので、来期は再び増益に転じよう。

 前期の業績は順調であった。営業利益439百万円(同+57.1%)は3年ぶりにピーク利益を更新した。当期純利益が同-12.7%となったが、これは前々年度の子会社買収に伴い発生した負ののれんの上乗せ効果が無くなったことに加え、一時的な特損(貸倒引当金、クレーム補償費)が発生したことによる。

 2011年3月期は、「やさしいあいすくりーむ」のサンオーネスト社を買収し、これによって連結決算がスタートした。この製造子会社の業績改善はやや遅れており、黒字化は今2013年3月期に持ち越しとなった。販売及び生産効率の向上に取り組んでおり、黒字化はほぼ見えてきた。

 オーウイルは食品原料を主力とする商社である。社員数89名(グループ合計)と小規模であるが、飲料用のビタミンC、缶コーヒーやお菓子用の殺菌乳、飲料やデザート用のマンゴー加工品では、取扱量で日本No.1である。また、社員の女性活用も進んでいる。

 これらの主力分野のシェアをさらに高めるとともに、第2、第3のトップ商品を育てようとしている。大手商社と競合するのではなく、独自の専門性ときめ細かなサービスを特色とする提案型複合機能商社を目指している。シンガポールに現地法人を設立し、アセアンの市場開拓にも力を入れている。今年は米国での事業展開も加速させる計画だ。

 中期的な経営目標では、昨年度の2倍規模の年商500億円をターゲットに置いている。経常利益では15億円程度を目指すことになろう。今の延長でみると、経常利益5億円は十分射程内にあるが、その先は人材の育成とアジア市場の開拓などが必要になろう。一定の努力は必要であるが、コアビジネスを軸に、配当利回りで5%台が見込めるので、この点に注目したい。


1.特色 大手に真似のできない提案型商社を目指す
2.強み ビタミンC、殺菌乳、マンゴー加工品で業界トップ
3.当面の業績 3部門好調の後、原料高を織り込む
4.中期経営方針 市場創造に向け機能を複合化し、年商500億円を目指す
5.企業評価 配当利回りの高さに注目


オーウイル(3143)

企業レーティング
B

株価(2012年6月13日)
525円

PBR
1.15倍

ROE
14,2%

PER
7.9倍

配当利回り
5.7%

時価総額
17億円(3150千株)

総資産
7410百万円

純資産
1481百万円

自己資本比率
19.4%

BPS
457.1円

単位=百万円、円

決算期
売上高
営業利益
経常利益
当期純利益
EPS
配当

2006.3
17311
235
494
253
106.6
8.3

2007.3
18873
308
333
148
51.9
16.7

2008.3
21888
371
401
217
72.4
23.3

2009.3
22261
408
371
137
44.9
30.0

2010.3
24529
284
297
143
45.5
30.0

2011.3
25381
279
278
181
57.6
30.0

2012.3
26431
439
443
158
50.3
30.0

2013.3(予)
28000
360
360
210
66.7
30.0

2014.3(予)
30000
480
480
260
82.5
30.0

(注)ROE、PER、配当利回りは2013年3月期予想ベース。
05年12月に1:2、08年7月に1:300の株式分割を実施。08年3月期以前のEPS、配当は修正ベースで表示。2008年11月に上場。
11年3月期より連結ベース、それ以前は単独。


企業レーティングの定義:当該企業の、①経営者の経営力、②事業の成長力・持続力、③業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。


レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/ouiru201206.pdf