「看護・介護業務支援の救世主、スマートベッドシステムとは?(2)」パラマウントベッドHD・木村陽祐執行役員に聞く!<直撃Q&A>

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※(1)から続く

Q4 看護師・介護士、医療施設にとっての支援ポイントは何でしょう?

木村 大きく分けて2つあります。まずは、看護・介護業務の負荷軽減です。機能面でいうと、バイタルサインをベッドサイドで直接入力できてしまいます。また、例えば床ずれ防止のために、体位変換作業が2~3時間置きに必要な場合、リマインダー機能を使うと業務が立て込んでいても、スタッフステーションと各自が携帯するモバイル端末に的確に情報が入るため迅速な対応が可能となります。もう一つは予期せぬ病状急変への対応です。例えば3時間前に巡回したときには、無事だったにも関わらず、その後容体が急変して最悪は亡くなるというケースがありますが、そこを何とか改善して欲しいという強い要望がありました。スマートベッドシステムで継続的にバイタルサインを計測しているので、異変と判断する数値範囲を設定しておけば、自動的に通知され、迅速な急変対応が可能になります。

 医療施設・介護施設にとっては、看護師・介護士の負荷軽減に伴う労働環境の改善で採用した人材の離職防止に役立ちます。看護・介護業務支援というものに特化したシステムはまだまだ数が少ないのが現状で、業務が効率的になれば、ゆとりを持った人員配置なども可能になるのではないでしょうか。

Q5 受注をスタートしての手応え、ユーザーの反響については?

木村 4月から主に病院向けに営業活動を開始しています。多くの病院からスマートベッドシステムのコンセプトに対しては“素晴らしい”という評価をいただいています。ただ、具体的な商談となると予算の関係もあり、今期中の成約は2件程度になりそうです。3~5年後を見据えて、成約に結び付く可能性のある商談は数多く出てきています。現在、ある医療施設でフルシステムを導入してトライアルを実施し、さまざまなデータを集積するなかで結果がまとまってきているので、導入の前後でどの程度の変化があったのかなど、業務時間や労務費などのデータ分析を進めています。

Q6 将来的な普及目標や売上高の計画についてはいかがですか?

木村 今年5月に、2021年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表し、そのなかで新規事業として100億円を目標としていますが、スマートベッドシステムでそのうちの半分に相当する50億円程度の売上高を目指します。病院、介護施設、自宅(在宅医療)に向けて、ベッドという医療・介護のなかでも極めて重要なポジションを基点として、さまざまなデータを集積、発信できるのは強みといえます。海外展開については、高齢化先進国である日本で、しっかりとしたビジネスモデルを構築してアジアを中心に積極展開し、現在は10%程度の海外売上高比率を徐々に高めていく方針です。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(きむら・ようすけ)
1980年生まれ、2013年入社、14年に技術開発本部・本部付部長に就任、15年に執行役員・技術開発本部副本部長に就任し現在に至る。