「2017年ヒット予想、次にブレイクするのは?(2)」博報堂生活総研・川谷愛作氏に聞く!<直撃Q&A>

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※(1)から続く

Q2 テクノロジー絡みの動向はどのように分析していますか?

川谷 「AI(人工知能)技術」「IoT」「ロボット」など、第4次産業革命という言葉が話題になっています。脚光を浴びているテクノロジーはいずれも実用化の段階に来ていると生活者は感じています。博報堂生活総研では、このように生活者を「補助」「代行」「拡張」するなど多様に支援してくれるテクノロジーを「サンキュー・テック」と名付けました。「補助」するテクノロジーとしては、高齢者の運転時の事故防止につながる「自動運転システム搭載車」や介護領域での人材不足や重労働を補う「暮らしの支援ロボット」、簡単に操作でき、重くなく、サイズも夫婦2人に手頃といったシニア層が使いやすい「シニア向け家電」などのヒットが予想されています。

 「代行」するテクノロジーの代表としては、災害地や危険な場所で活躍する「ドローン」や日々の買い物が苦痛になっている高齢層や時間的な余裕のない共働き・子育て層にとってありがたい、スーパーでの買い物を代行してくれる「ネットスーパー」があげられます。また「補助」「代行」のほかに人間の能力を「拡張」してくれるテクノロジーにも注目が集まりそうです。「自動翻訳技術」は外国人との一定のコミュニケーションを可能にする、人間の能力を「拡張」するテクノロジーといえます。「AI」や「IoT」も人間の能力を「拡張」するテクノロジーとして期待されています。

Q3 17年はどんなトレンドを捉えた企業がブレイクしそうですか?

川谷 TOKYO GAME SHOWではVRが老若男女問わず注目されました。機器自体はさまざまな企業が出しているので、あとはコンテンツ待ちという状態でしょうか。利用者の心を掴むようなタイトルが出たときは物凄い成長が期待できそうです。

 また、高齢者の気持ちを的確につかみ、商品・サービスに展開できる企業が伸びると考えています。日本では65歳以上人口が3444万人と、全人口の27.1%を占めており(総務省「人口推計」2016年)、マジョリティとなっています。しかし、このマジョリティであるはずの高齢者はターゲットとしては一筋縄ではいきません。年齢幅も広いですし、健康の度合いもまちまちですが、基本的に老人として扱われたくないという気持ちが強いということがよく言われます。商品デザインなども明らかに高齢者用にみえるものは売れません。また、高度成長、バブルとバブル崩壊、その後の経済低迷などを経験してきた世代であり、時代に合わせてポジティブに賢く生きるしたたかさを持っており、ターゲットとして考えた時は、目利きで手ごわい生活者といえます。

 高齢者に寄り添い、気持ちをつかむことで広がるマーケットは膨大です。高齢者とどう向き合っていくか、“高齢者マーケティング”先進企業が今後注目すべき企業といえるのではないでしょうか。

(聞き手・吉野さくら)

<プロフィール>(かわたに・あいさく)
1979年博報堂入社。マーケティング職(東京・大阪)25年、マネジメント職(営業部門・スタッフ部門)を経て、2015年6月より現職。日本の消費社会史の中を生き、これからの少子高齢化社会に向けた生活者の消費トレンドの研究に尽力している。