まだまだ割安メガバンク株

まだまだ割安メガバンク株
銀行は、日銀のマイナス金利政策を起因とする収益圧迫に加え、資源価格安や経済悪化を理由とする与信コスト増、そして円高影響によって収益を抑えられてきました。さらに国際金融規制への対応のために政策保有株式の売却を進めているため日経平均株価の下落も影響し、業績は低迷、株価は低位推移を続けていました。

JPモルガンは邦銀大手行の最終利益について、1円の円高(対米ドル)で0.2%~0.5%、1000円の日経平均株価下落で0.4~1%程度、またマイナス金利によって約5%縮小すると試算しています。

ところがすでにこうした懸念は後退し、銀行株は16/7月の底値からおよそ1.7倍、11月底値からおよそ1.5倍の水準となっています。

株価上昇の背景には銀行収益の改善期待があります。

日銀によるイールドカーブコントロールもありますが、金融緩和や大規模経済政策を公約したトランプ氏の勝利で火に油が注がれたかのように金融株は急騰しました。

2016年9月に導入された「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」は、国債を買い入れて長期金利がゼロ%付近で推移するように調整するというものです。

現在、マイナス圏に沈んでしまった10年国債利回りも、足元では0.053%まで伸びています。つまり金融機関は、マイナス圏にある低いままの短期金利で資金調達し、イールドカーブの角度が急配(スティープ化)によってプラス圏に浮上した長期金利で運用することができるようになりました。

これによって利ザヤの改善と圧迫されていた収益改善が期待されるようになりました。

また、米国大統領選挙でトランプ氏が勝利して以降、上昇する米国金利や円安進行がプラスに働きました。それに米国内需拡大への期待と強い経済指標を背景に期待インフレ率が上昇しています。期待インフレ率が上がるということは銀行にとって与信コストが低くなりますので、こうした側面でもポジティブな環境となっているのです。

さらに、米国の利上げペースが2017年は3回になるという観測から金利上昇が見込まれ、金融セクターにとっての追い風となりそうです。ドイツ銀行の米銀アナリストによると、大手米銀のEPS は今後3 年間で25-30%増加すると言います。そのうち景気拡大がもたらす上昇率は最大15%と試算されています。

こうしたことからも銀行株は、もっと高く評価されてもいいのではないかと思われます。足元の銀行株の株価指標を見るとPBRは1倍を切っており、依然割安です。