「ストレスチェック義務化2年目、浮き彫りになった課題と対策は?(2)」アドバンテッジリスクマネジメント・山本麻理取締役に聞く!<直撃Q&A>

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※「ストレスチェック義務化2年目、浮き彫りになった課題と対策は?(1)」から続く

Q4 ストレスチェックが義務化され1年超が経過しましたが、課題はどのようなことが挙げられますか?

山本 ひとつは高ストレス者および、その予備群をどのようにフォローしていくかがあります。ストレスチェックでは実施者が高ストレス者を判定して、医師面接につなげるという流れがありますが、医師面接に手を挙げる人はごく一部で、何も対策をしない人がほとんどです。こうした課題の解決には、いつでも気軽に相談できる環境が必要で、弊社ではネットを通じたセルフチェックやカウンセリングなど、さまざまなサービスを提供しています。こうしたサービスを従業員やその家族に利用してもらうことで、未然防止につなげていきたいと考えています。

 組織をどう改善するかも大きな課題です。ストレスチェックを実施することで組織分析などが明らかとなりますが、「今後どう動いてよいのかわからない」という企業が多いのが実情です。弊社ではこれまでに培ったノウハウを活用しながら、専門のコンサルタントが改善施策案を作成し、その企業にあった施策を提案できることが大きな強みになっています。また、ストレスチェック実施後の個人および組織の課題解決の支援として「ARMソリューションカンファレンス」と銘打ったストレス状況改善に関するセミナーなども積極的に開催しています。

Q5 法制化を受けて参入企業も多いと思いますが、業界の競争環境を教えて下さい

山本 この2~3年で競合する企業が増えています。健康診断を手掛ける企業に加えて、特に目立つのがITベンダーやシステム系企業の参入です。ただ、こうした企業はアフターフォローのノウハウを持っていないことが多く、継続的に事業を行っていくには難易度が高いようです。そこでアフターフォローの部分だけ提携できないかといった話を時折いただきますが、メンタルヘルスケアはチェックからフォローまで一貫して行うことではじめて意味のある対策を打つことができ、かつ経年でフォローしていくことが重要です。提携についてはこの辺りを踏まえて検討していく必要があります。
 
Q6 現在および今後の取り組みを教えて下さい

山本 メンタルヘルスケアの対策では、いかにして「心のタフネス度」を強化し、エンゲージメント(仕事熱意度)を向上させるかが重要になります。このことは働く時間を抑制して、ひとりひとりの生産性を上げるというテーマである「働き方改革」にも通じることから、エンゲージメントへの企業側の関心はますます高まっています。すでに対応するソリューションなどを提供していますが、さらにサービス拡大に向けて注力していきたいと思っています。

 高ストレスの未然防止に有効な対策としてカウンセリングが挙げられますが、欧米に比べて高い敷居をどれだけ下げられるかが弊社の社会的使命のひとつだと感じています。対面や電話、メールだけでなく、チャットやアプリを通じてもっと気軽に元気な時から相談できる仕組みを広げていくことが大切で、そうした環境づくりを牽引していきたいと考えています。メンタルヘルス対策の効果が出ている企業は、カウンセリングを受けたことを社内で普通に会話できるといった特徴があり、企業の意識変化へのサポートにも引き続き取り組んでいきます。

 ストレスチェック義務化2年目を迎え、提供するサービスのさらなるクオリティー向上に加え、ストレスチェック後のコンサルテーションや組織診断の結果に則したソリューションのバリエーション強化、全国のネットワーク拠点を活用した地方マーケットへの展開など、メンタルヘルス業界で唯一の上場企業としてサービスの一層の拡大に努めていきます。

(聞き手・三宅和仁)

<プロフィール>(やまもと・まり)
取締役兼執行役員、メンタルヘルスケア部門統括担当。2001年にアドバンテッジインシュアランスサービス(現アドバンテッジリスクマネジメント)に入社。営業第2部長などを経て12年に執行役員、14年に取締役に就任し現在に至る。