米国株市場は、いったん下げ止まり

米主要株価指数は微弱な反発で、未だ危険信号点灯中
とりあえず、大幅急落の翌日、主要株価指数は反発でしたが、1%にもまったく届かない微弱な反発で終わりました。
主な主要指数の位置は以下の通りです。良い順番。

半導体株価指数…一度も25日線割らず、その上に位置。
ナスダック…前日25日線割れだが、昨晩は奪回。
ダウ公共株指数…50日線割れから、奪回。

その他は、すべて50日線と25日線を割ったまま、まったく戻せていません。

先行指標のダウ輸送株指数にいたっては、昨晩反発したとはいえ、一時は200日移動平均線すらわずかですが、割り込む瞬間がありました。
何でもなかったのなら、たちまち戻すはず
もし前日の下げが、ほぼ意味のないものであったならば、相場はV字型に戻すはずです。

1日2日は、底練りするのも致し方ないとしても、来週早々には一気に戻さなければなりません。戻すとすれば、まさに先行指標のダウ輸送株が、200日線まで届いた昨晩がその最初の起点になるはずです。

また、ほかの予兆としては、前日の大陰線の実体部分の半分をまずは回復しなければなりません。
今のところ、ダウ輸送株には、200日線までの下落は現実になりましたが、前日の大陰線の実体部分の半分を回復するには、到底及びません。

これが出てくると、反発の最初の予兆ということになってきます。
資金はまだ国債に向いたまま
確かに微弱ながら反発したのですが、資金の流れは、まだ国債への逃避行動が多いようです。米10年国債利回りは、これも反発したのですが(国債価格下落)、同じように前夜の大陰線の実体部分の半分まで到底及ばないのです。

これが本格的に反発してきますと、資金が国債から流出し始めたということになるわけですから、株の戻りは間違いないでしょう。
まだ、これは本格化していないわけです。
実は市場はまったくリスクを感じていない
さはさりながら、では市場はあの大陰線を立てた以上、相当リスクオフの状況に陥っているのだろう、と思いきや、実はそうでもありません。
というのは、最大のリスク指標であるジャンクボンドETFが、まったく動揺していないからです。

大幅安となった前夜の時点でも、一度も25日線を割っていないのです。
面白いことに、昨晩になって、初めてジャンクボンドは25日線を大きく割って、しかも引けにはこれを完全奪回して終わっているという事実です。

これと、ダウ輸送株指数が200日線まで突っ込んで、微弱ながら反発した、という事実と合わせますと、どうやら一つの結論に行き着きます。
まず、市場はまったくリスクと認識していない。

では、下がったのはなぜかというと、単純な益出しであったということです。
政策遅滞を見越して、とりあえず利益確定を計った
ロシアゲート問題が直接的なきっかけであったことは間違いなく、このため何を嫌がったかというと、8月の連邦議会休会までに、果たしてトランプ政権が減税法案の立法化の目途をつけることができるのか、疑問に感じたファンドが、とりあえずまず利益確定すべきものはした、というのがあの大陰線だったということで間違いないでしょう。

これを誤解してはいけないのは、アメリカのファンダメンタルズ(景気動向)が失速していくのだ、相場は先行的にそれを織り込んで終わったのだ、という見方です。それは早合点です。

なるほど1-3月のマクロ経済指標は驚くほど悪いものが散見され、GDP速報値でもそれは確認されました。その後の百貨店売上でもびっくりするほど悪い内容でしたが、アマゾンAMZNに食われているのだろうという推測は容易に成り立っていましたし、昨晩はその証拠としてウォルマートWMTの決算発表で、アナリスト予想を上回ったことで、同じ伝統的な小売り業者のウォルマートが、それでもかなり積極的にネット販売にいそしんでいたことから、こういう結果になっていることが証明されたわけです。

つまり、百貨店売上の不調は、やはり伝統的な業態に問題があり、消費構造そのものがネット傾斜を一段と強めているだけで、景気の悪化とは無縁であるということが確認されたわけです。

株が下がると、米国景気悪化という報道やコメントが目立ってきますが、まったく今の時点ではそこまでの踏み込んだ予想をするのは危険であり、現実的ではありません。

あくまで、中間期末までに、政策遅滞を恐れて、利益確定できる分を機械的に行い始めたというのが、実態でしょう。
相場調整は、ガス抜きか、それとも本格化するか
となると、ファンド中心に、このトランプラリー以降の積み上がった含み益を、どこまで利益確定することになるか、ということです。

ガス抜き的に、一過性で終わるか、それとも本格化・長期化するかということです。冒頭の先行指標・リスク指標・需給指標(米10年国債利回り)からは、まだはっきりしません。

が、ダウ輸送株は、確かに戻すなら、ここが起点となるはずだ、という200日線まで到達したことは事実です。
従って、戦略的には、米国株指数が、最初の大陽線を立てたら、まずヘッジとしていた経ダブルインバースETFをすべて売却処分するアクションを取りましょう。

それが出ないうちは、ヘッジですから、含み損でも構わないのです。残っている現物株保有分がある以上は、それに見合うこのヘッジをしていなければなりません。

最初にシグナルを出すとしたら、下げたものの中では、ダウ輸送株と米10年国債利回り以外に、ありません。
東京市場は、夏場まで強いはず
翻って東京市場ですが、個人的な見立てでは、下落調整が深まる可能性は低いと思っています。

海外市場は深くなる可能性は残っているものの、日本株は売るにも外人はそれだけの玉数を持っていないからです。ただ、買い手が引っ込んでしまうことで、薄商いの中をとめどもなく下落し続けるという厄介な相場展開はありえるわけですから、調整深化は無いと思っても、一応は警戒しなければなりません。

ただ、本質的に売る玉数がそろっていないということ、そして例の騰落レシオなどから、おそらく相互株価指数の上昇は少なくとも、6月中旬あたりまで、うまくすれば7月までは期待できるとしたのはすでにご存じの通りです。

騰落レシオは昨日の下げで、123くらいまで落ちてきていますが、それでも過熱の分岐である120を上回ったままです。従って、またここからぶり返して、160-170までもっと過熱するということは、十分ありうるでしょう。その線もけして消えてはおらず、騰落レシオが天井を打ったとは、必ずしもまだ言えません。

また上述のように、天井を打ったとしても、相場のほうは騰落レシオからさらに1-2か月は平気で上昇持続するのが普通ですから、120を完全に割り込んでくるまでは、まだこのシナリオは残っているということです。

従って、ダウ輸送株指数が猛然と反発を始めるか、前日の大陰線の実体部分の半分を回復してきたら、相場は反転すると見切っても良いと思います。
戦略方針
上述のように、戻すならそれほど日数を置かずに反発が始まるはずで、底入れの一つの判断は、米主要指数があいついで、大陽線を立てることです。

それも、素人目にみても、これはすごい反発だ、と思うような大陽線ということで十分です。

具体的には前夜の大陰線の実体部分の半分の回復ということです。それが成立するなら、大陽線ではなく、じわじわとして戻りでも構いません。

とくに、先行指標のダウ輸送株と、需給指標の米10年国債利回りに出てくればそれだけで良いでしょう。ちなみに、米10年利回りには、株だけでなく、ほかの商品市況などからも資金流入して低下となっているでしょうから、どちらが早く反発するかといえば、ダウ輸送株指数のほうが先のことが普通です。意外に、10年のほうが、後までじくじくと低迷することも多いのです。

戦略方針は、従って現時点では変更なく、「緊急避難モード、現物株保有は半分を目安に、日経ダブルインバースETFを2割目安でヘッジ」というものです。」

付帯条件としては、現物株保有の構成銘柄は、できるだけ、ディフェンシブ銘柄にするということで良いでしょう。