「方向感は乏しい、需給要因で下方の窓埋めへ」

「方向感は乏しい、需給要因で下方の窓埋めへ」
 昨日の米国株式相場は続落。ダウ工業株30種平均は25.19ドル安の13077.34、ナスダック総合指数は8.77ポイント安の2981.70となった。中国PMI、米新築住宅販売件数、企業決算などを受けて堅調スタートとなったものの、世界的な景気減速懸念は根強く、徐々に値を消す展開となった。午後に発表されたFOMC声明は、ほぼ予想通りの内容。相場を押し上げるには至らなかった。また、シカゴ日経平均先物(円建て)は8965円。大証終値と比べて5円安の水準で取引を終了している。したがって本日の東京株式相場は、もみ合い相場からのスタートを想定。前日終値近辺で寄り付くと思われる。

 本日ははっきり言って手掛かり材料難だ。米企業決算や欧州債務危機への警戒感は根強いものの、来週の日銀金融政策決定会合への期待は大きい。強弱感が対立する形となっており、方向性はかなり乏しいと言えるだろう。

 日経平均の動きも“気迷い”となる可能性が高い。結果的に短期的な需給に左右される形となり、“動きやすい方向”へと移動することになるだろう。

 日経平均の日足チャートでは昨日、長い上ひげが出現。9075円付近にテクニカルの壁が存在していることが明らかになった。「窓・壁理論」では、「上方に壁・下方に窓」という形になっており、短期的に株価は下落しやすい。下方の窓下限(8837.19円)までの下落余地があり、あと120円程度は下落しそうだ。

 もちろんこれは上昇トレンドのなかの調整局面であり、一連のリバウンド相場が終了したわけではない。株価が単に「低いところ」に移動しただけであり、決して全体相場の流れを変えるものではない。なぜならば、月末には日銀金融政策決定会合が控えており、前評判では10兆円程度の資産買い入れ基金の増額があると見られているからだ。「場合によってはそれ以上の増額も」と期待する人がおり、全体相場を支える要因となっている。これが期待インフレ率の上昇を促し、円相場の下落を誘導することになるのだ。

 そして個別銘柄ではシャープ(6753)の動きに注目だ。日経新聞一面で観測記事が掲載されており、中間最終赤字は4000億円に膨らむと報じられている。繰り延べ税金資産の取り崩しなど帳簿上の処理も含まれているが、在庫評価損の計上を余儀なくされており、すべてが「悪循環」となっている。「儲からないから、税金資産を取り崩さなければならない」「売り上げが立たないから、在庫の減損処理をしなければならない」――そのような形となっているのだ。いったん歯車が狂うと一気に転落することを意味しており、他の企業も他人事ではない。昨日決算発表した日本電産(6594)は中期経営計画を下方修正しており、16年3月期の売上高2兆円を1兆2000億円に引き下げている。日本企業が縮小傾向を強め始めており、「円高メリット」といって海外に進出している場合ではないということだ。海外企業の買収なぞ、10車線の赤信号を目隠しで渡っているようなもの。「無謀」としか言いようがない。米携帯大手買収に動いたソフトバンク(9984)の戦略が吉とでるか凶とでるか、お手並み拝見といったところである。