夢真ホールディングス 佐藤真吾代表取締役会長兼社長インタビュー

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建設業に特化した技術者派遣で社会に貢献


夢真ホールディングス 代表取締役会長兼社長 佐藤真吾(さとう・しんご) 1947年生まれ。70年に22歳で佐藤建築設計事務所(現・夢真ホールディングス)を設立。以来現在に至るまで同社事業拡大を牽引する。


 

 


施工図面の作図事業からスタートし、現在は建設業に特化した技術者派遣企業として、数多くある人材ビジネス企業の中でも注目される夢真ホールディングス。独自の経営理念で同社を牽引する佐藤真吾会長に話を聞いた。


 


──御社の特長をご説明ください


 人材ビジネスを展開する企業は国内に多数存在しますが、総合人材派遣をうたう企業でも、建設業界にはほとんど注力していないのが現状です。それは建設業が事業内容自体に専門的な要素が高く、適正人材を提供することが難しいためと思われます。


 当社は、その建設業界に特化して人材ビジネスを展開している唯一の株式上場企業です。実は、建設業界は「受注時期が不確定」「異なる建築現場」「短い納期ニーズ」「労働集約的」な産業と言われ、「必要な時期に」「必要な期間だけ」「必要な数」の人材を求めているのが実状です。


 つまり、まさに、人材派遣に最も適している産業なのです。もともと当社は設計事務所として発足し、さらに高品質な施工図面の作成を大量、迅速に供給できるシステムを構築したことで、多数のお客様から信頼をいただきました。また、現場の施工管理ができる専門の技術者を多数育成してきたことで、建築現場をトータルに支える体制ができていました。創業以来のこうした礎があったからこそ、現在の建築技術者派遣というマーケットを創成することができたのです。


 


──「先を読む経営」とよくお話されています


 私は先を読むのが好きなのです。3年先のことを考えて、現状を踏まえつつ「今」手を打っています。今の数字は今、発生したわけではなく、3年前という過去の頑張りや蓄積が今に結びついているということ。そして今の頑張りは蓄積して3年後の数字になるはずです。


 10年前から今を考え、昨年末から現在を考え、気配りをしながら四方に手を打っています。そして自分が思った構想に基づいて周到に準備をし、それが成就したときの達成感は何ものにも変えがたいのです。


 そのために、当社では「段取り」を常に重視しています。目標を持ち、そしてやり方などの選択肢を上手に活用すれば大体のことは可能でしょう。


 私はこのような考えから、3~5年先を見据えて日々の経営を行っていますが、さすがに復興関連事業の時間軸はなかなか読めません。「読めないものは計画には入れない」という思考法で、未来を見据えています。


 しかし読めているのは首都圏での工事需要拡大にともなう人手不足感。これはジワジワと拡大してきています。現在はまだリーマン・ショック前に戻ったレベルです。ですが、今後の需給ギャップは相当高くなるのではないかと考えています。


 従来は「できれば2年目以降の人を出してください」というニーズが多かったのですが、ここ数カ月は「1年目の方でも結構ですからとにかく人を出してください」という依頼が増加してきました。人が足らなくてカラカラの状態であるといえるでしょう。加えて地方での工事案件の拡大。特に大阪や名古屋などでの今後の拡大には期待しています。


 ですから、当社では今後数年間は、人材の大量採用を安定的に行う予定です。500名程度の純増を5年間続け、圧倒的な拡大路線を継続していこうと考えています。そのために理科系だけではなく文科系の学生さんや第2新卒の皆さんにも、ぜひ当社の存在に気づいてほしいですね。


 経営的に言えば、当社の現状の稼働率はほぼ100%です。ということは、人の採用が順調に進めば、必ず数字に繋がるということなんです。そしてインフラ整備等で人が足らないという差し迫ったニーズに対して、必要とされる人を供給していくことは社会的使命でもあります。ですから圧倒的拡大路線を走っているわけです。


 


──「8月の入社式」が話題になりました


 当社は普通のことはやりません(笑)。当社には毎月新入社員が入社します。ですから「日本一遅い入社式」と銘打って8月に行いました。そもそも4月に誰もが入社するというのは企業ニーズではなく大学のニーズに沿ったものなのです。


 だったら実際の企業ニーズに沿った実務的採用も良いだろうと思ったんです。社会的構造も新卒オンリーではなく、中途採用や第2新卒など形態はますます変化してきています。そこにフレキシブルに対応していくことは大切でしょう。


 おかげさまで今年の春に渋谷に採用のためのサテライトオフィスを開設したことで、採用が拡大してきました。今後は地方での採用もターゲットとして、このようなオフィスを、大阪など日本各地に開設していく予定です。 <!--nextpage-->


 


──では最後に、投資家の皆様にコメントを


 9月から売買単位を1000株から100株に変更しました。より多くの投資家の皆様に当社の株主になっていただこうという考えです。そして10月からは「J‐Stock Index」の構成銘柄に選定されました。これによって当社もJASDAQを構成する代表的企業とみなされることになりました。多くの株主様から「夢真は長期で保有する銘柄」という評価を頂戴できればありがたいと考えています。


 世の中の流れは確実に当社にとって追い風になってきています。上場企業で唯一建築に特化した派遣会社として、この流れを逃がさずに着実に取り込んでいくことこそが使命と考えています。そして「人と人とのめぐり会いで、みんなの夢を真にする会社」をさらに拡大していきたいと思います。


 


【取材メモ】


 横浜ランドマークタワーや恵比寿ガーデンプレイス、六本木ヒルズなど大きなプロジェクトには同社の人材が必ず関わっています。現在はここに復興需要が加わって、同社の繁忙は実に想像以上のものがあります。


 建設需要拡大の裏には、相当人材が逼迫している印象を受けましたが、「約5年間は大量採用を続けます」と佐藤会長。「採用をしていれば数字になり、その積み上げが当社の中長期的成長の基本になります」。


 今後の経営リスクについては「油断かな。緩むと大変だから気を引き締めて」。そして「いずれ発表する中期計画では『読めないもの』は組み込みません」とキッパリ。事業拡大路線を継続しつつも、油断大敵との戒めがある限り、同社の成長は続くに違いありません。まさに「今が旬」の企業です。


[ 会社概要 ]
社名:夢真ホールディングス
市場:ジャスダック
コード:2362
上場年月日:2003年9月18日
設立:1990年10月1日
決算月:9月
☆連結業績見込み(2012年9月期)
売上●112億円
営業利益●13億円
経常利益●14億円
当期純利益●8億5000万円
☆トピックス
年初にオープンした採用サテライト「夢探索カフェ」が話題を呼ぶ。9月にはJASDAQ「J-Stock Index」の1社に選定される。

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