中東の地政学的リスクと「財政の崖」回避で綱引き

安倍自民総裁、日銀の建設国債引き受けに言及
金曜日の海外時間には、イスラエルのエルサレム郊外にミサイルが着弾するなど中東の地政学的リスクが高まったことからリスク回避の動きが強まってドル買いが強まりましたが、米民主党と共和党が「財政の崖」問題で妥協する、との見方が強まったことから巻き戻されました。また週末に安倍自民党総裁が建設国債の全額日銀引き受けを検討する考えを示したことから、週明けの東京時間に円売りが強まる場面がありました。

欧州時間序盤、欧州株が取り引き開始直後から下落したことからユーロ売りが強まってユーロドルは1.2720台まで、ユーロ円は103.00円台まで下落しました。この間ドル円は、一時80.90円付近まで下押ししましたが、全般的なドル買いの流れで81.20円台まで上昇しました。

NY時間序盤各国株価の買戻しが強まったことからユーロもやや買い戻される流れとなって、ユーロドルは1.2750台まで、ユーロ円は103.50円付近まで反発しました。その後発表された米・10月鉱工業生産、米・10月設備稼働率がいずれも予想より弱かったことから、各国株価が下落しリスク回避の動きが拡がって全般的にドル買いが強まる中「エルサレムで緊急警報、ロケット弾飛来を知らせるイスラエル軍のサイレンが数分間鳴った」「パレスチナ自治区ガザから発射されたロケット弾がエルサレム郊外に着弾」などと報じられたことから、さらにドル買いが強まって、ユーロドルは1.2690付近まで、ユーロ円は103.10円付近まで下落し、ドル円は81.30円台まで上昇しました。その後もイスラエル情勢に関しては「イスラエル兵、最大3万人ガザ地上侵攻へ準備」などと報じられましたが、株価が下げ止まるとドル買いも収まりました。

その後マコネル米上院共和党院内総務が「真の問題を解決することを条件に歳入増を検討する用意がある」と述べるなど、米共和党の議会指導部が「財政の崖」の回避に向け、歳出削減の実施を条件に歳入増に同意する用意があると表明しました。そのため各国株価が急反発しリスク回避が巻き戻される動きとなって、ユーロの買戻しが強まって、ユーロドルは1.2730台まで、ユーロ円は103.60円台まで、ドル円も81.40円台まで上昇しました。しかし米長期金利が低下したことから円が買い戻される動きとなって、ドル円は81.10円台まで、ユーロ円は103.20円台まで反落しました。

週明けの東京時間、土曜日に安倍自民党総裁が建設国債の全額日銀引き受けを検討する考えを示したことから、日経平均が寄り付きから急騰したことを受けて円売りが強まってドル円が81.50円台まで、ユーロ円は104.10円台まで上昇しました。しかしその水準では円売りポジションの利食いが強かったことから反落しています。

今日の海外時間には、米・10月中古住宅販売件数の発表がある他、ダンシン・スイス中銀理事、トリシェ・前ECB総裁、バルニエ・欧州委員、デギンドス・スペイン経済相、バイトマン・独連銀総裁、クーレ・ECB理事、リッカネン・フィンランド中銀総裁の講演が予定されています。