これがドル円「こう着放れ」のシナリオ

これがドル円「こう着放れ」のシナリオ
ドル円のこう着が続いてきただけに、逆にそろそろ一方向に動き出す可能性も注目される。そんな「こう着放れ」を、日米金利との関係で考えると、米金利との相関が回復する場合には81円を目指すドル高、一方、この数か月ドルの下限となってきた日米金利差との関係で考えたら79円を割り込むドル安も一時的の可能性といえそうだ。
 ≪資料1≫は、2月14日までは日米2年金利差、そして2月15日以降は日本の2年金利をゼロとし、米2年金利とドル円のグラフを重ねたもの。このように、ドル円は、2月14日を境に、それまでは日米金利差、そしてそれ以降は米金利と連動してきたが、最近はその米金利が示唆するよりドル安の動きになっている。

≪資料1≫

出所:BloombergよりMarket Editors作成

 すでに、ドル円と米金利の相関関係が崩れたなら別だが、そうでなくて、再び相関関係が回復するなら、ドルは81円程度まで上昇する可能性がありそうだ。
 ところで、≪資料2≫は、日米2年金利差とドル円のグラフを重ねたもの。5月に入ってドルが急落した動きも、この日米2年金利差でサポートされた形となっていた。その意味では、日米2年金利差はドルの下限の目安になりそうだが、足元それは79円程度のドル円水準を示唆している。
 こんなふうに見ると、米金利が一段と低下する、または日本の金利が一段と上昇するといったことで、日米金利差が縮小しない限り、かりに「こう着放れ」がドル安となった場合でも、79円を下回るドル安・円高は一時的にとどまる見通しといえそうだ。
 ドル円は、5月に入ってから78.9-80.6円程度と、最大値幅が1.6円程度にとどまっている。3、4月でも最大値幅が3円を大きく超えたことからすると、「動かな過ぎ」とも考えられる。逆にそろそろ、そんな「こう着放れ」が近付いている可能性もあるだろうが、その場合の一つの目安になるのではないか。(了)

≪資料2≫

出所:BloombergよりMarket Editors作成