ユーロ売りの「正体」を知っていますか?

ユーロ売りの「正体」を知っていますか?
ユーロ安が止まりません。確かに、ユーロ一段安を説明可能な需給要因はあります。ただ、さすがにユーロ安が難しくなっている可能性を示す需給要因もあります。今回は、そんなユーロを巡って全く異なる「2つの需給」について述べてみたいと思います。

◆ユーロを巡る「2つの需給」
 ≪資料1≫は、欧米の中央銀行の資金供給量の差とユーロドルの関係を見たグラフで、「ソロスチャート」と呼ばれるものです。これを見ると、今回の欧州債務危機に当たり、ECBが空前の流動性対策に動いた結果、ユーロの「カネ余り」が空前規模で拡大し、それは1.2ドルを割れるユーロ安・ドル高の可能性を示唆しています。

≪資料1≫

出所:BloombergよりMarket Editors作成

 このように見ると、今年1月につけた1.26ドルのユーロ安値を更新し、「止まらないユーロ安・ドル高」が続いているのは、きっかけはギリシャのユーロ離脱不安や、スペインの金融不安などなのでしょうが、底流には空前の「カネ余り」でユーロが売られやすくなっているといったことがありそうだということはわかります。
 ただ一方で、≪資料2≫は、そうは言っても物事には限度があり、このまま一本調子のユーロ売りを続けるのも、さすがに簡単ではない段階に入っている可能性を感じさせるデータということではないでしょうか。
 ≪資料2≫は、CFTC統計の投機的ユーロ・ポジションです。これを見ると、投機筋はユーロ売り越しの過去最高を大きく更新してきたことがわかります。ユーロ売りが「未踏の領域」に入ってきたということは、別な言い方をすると、これまでの常識ではいつユーロ売りが限界に達しもおかしくないということにもなるでしょう。
 こんなふうに、止まらないユーロ安について需給で考える場合でも、どのデータを見るかによって全く異なる結論になる可能性があるわけです。(了)

≪資料2≫

出所:BloombergよりMarket Editors作成