欧米は、日本の政局をどう評価するか?

米住宅関連は予想外の好内容、しかしリスク回避再び・・・
※ご注意:予想期間は6月27日と表示されていますが、本日(26日)のロンドン・NY市場の値動きを想定した記述となります。

 先週末の円安への動きが一転し、昨日は円買いが全面的に進行する展開でした。

 先週末の上昇を調整する円買い戻しが主原因ですが、「ユーロ圏共同債の導入」や「救済基金の柔軟運用」にドイツが難色を示していることが、今週末(28-29日)に予定されるEU首脳会議における「欧州債務危機を打開する具体案は望み薄」との悲観論へとつながったためです。このためユーロ円は再び100円の大台を割り込む動きを見せています。

 一方でドル円も、心理的な節目である80円の大台を再び割り込んでいます。昨日の米新築住宅販売は昨今の米経済指標では珍しく好内容(前月比7.6%増)でしたが、欧州発のリスク回避姿勢にはかないませんでした。80円突破という目先の目標を達成したから利益確定が入りやすい環境下、NYダウは138ドル安で終了するなど低迷し、米経済の先行き不安が世界経済に波及する懸念へとつながったからです。この影響でドル円は、79円半ばまで再び値を沈めています。

日本の政局を欧米の投資家はどう評価するのか?
 欧州タイムにはスペイン・イタリアの国債入札が控えており、リスク回避姿勢を左右しかねません。また昨日は珍しく好内容だったものの、NYタイムには米住宅関連(S&Pケースシラー住宅価格指数)や米消費者信頼感指数等という下方リスクが存在する経済指標が本日も予定されています。このため新たなポジション形成を手控えるムードが継続する可能性も、想定されるところです。

 また日本発の材料としては、衆院本会議における「税と社会保障の一体改革法案」の採決があり、「民主党から何人が離党するか(54人が分水嶺)」が注目されるところです。日本では「マーケットへの影響は限定される」との意見が大勢を占めていますが、欧米勢がどのように判断するかは未知数といわざるを得ません。

当座預金残高の増加が、ドル円の下値を支える
 米欧の状況からは「ドル円が再び80円を回復する力は乏しい」と見るのが自然ですが、一方で四半期末の資金繰りに配慮した資金供給が、日銀の当座預金残高を増加させています。これは「実質的な量的緩和拡大」を示すものでもあり、一時的ではあるものの円売り圧力としてドル円の下値を支える要因でもあります。

 底堅い動きを見せる中、欧州では「リスク回避姿勢の継続性」、米国では「景気の先行きに関する思惑」、そして日本では「政局という意外な不確定要素の行方」に注意を払って置くべき局面といえそうです。