「2つの上ひげを突破へ、消費税増税は不可避」

「2つの上ひげを突破へ、消費税増税は不可避」
 先週末の米国株式相場は反発。ダウ工業株30種平均は67.21ドル高の12640.78、ナスダック総合指数は33.33ポイント高の2892.42となった。ムーディーズの格下げが2段階に留まったモルガン・スタンレーが上昇したほか、他の金融株も総じて堅調に推移。ECBがスペイン銀行に対する担保基準を緩和し、独仏伊スペインの4カ国首脳会議が成長促進策を導入すべきという意見で一致したことも、欧州リスクの後退へとつながった。また、シカゴ日経平均先物(円建て)は8830円。大証終値と比べて50円高の水準で取引を終了している。したがって本日の東京株式相場は米株高を好感して買い先行の展開を想定。先週に引き続き上値を試す動きになると思われる。

 日経平均の日足チャートでは、2つの上ひげを突破するかが焦点となりそうだ。ひとつは先週末の上ひげである8830.34円。もうひとつはその前日に出現した8859.04円である。これらをスムーズに突破するようであるならば、「軸上向き」を改めて確認。その後は上方の窓(8930.78円―8947.82円)を埋める展開となるだろう。

 現時点では「軸上向き」の可能性が高く、上ひげ2つが多少の抵抗線になると思われるが、その後は上値を試すと思われる。小幅高でスタートした後、一瞬上値が重くなり、その後にこれらの上ひげを上昇突破することになるのだろう。足下でジリジリと円安が進んでおり、株価上昇の追い風になるに違いない。価格帯別出来高による需給でも上昇しやすい状況となっており、後場に入ってから上昇幅が拡大すると思われる。

 一方、一部で不透明要因がある。それは明日にも衆院採決される消費税増税法案である。小沢グループの離党取りまとめが45人に到達したとの情報や、鳩山元首相に近い議員が反対に回るとの見方が浮上。増税法案に反対する議員が50人、棄権・欠席が20人程度、造反議員は70人規模になるとの観測があがっているのだ。

 だが、造反議員が何人でようとも、野田民主と自民・公明の連携によって消費税増税法案の成立は不可避。株式市場を取り巻く不透明要因は“限定的”であると言えよう。その後の解散日程は未定だが、この政治的混乱が株式市場に与える悪影響はそれほど大きくはないと思われる。むしろなぜ消費税増税法案が野党と結託してまでも強行され、成立するのか――その背景を考える必要がある。
 一部報道によれば、消費税増税によって潤うのは輸出企業。現在の制度では「海外での売上げに対して消費税を掛かるのはおかしい」として消費税が国から“還付”される仕組みとなっている。外国人持ち株比率の高い大企業などが有利となっているのだ。

※参考 消費税、大企業優遇のカラクリ
http://www.zenshoren.or.jp/zeikin/fukouhei/071203-01/071203.html
http://hb8.seikyou.ne.jp/home/o-shoudanren/hayasi.pdf.pdf

 財界が声高に消費税増税を訴えるのは、こういった理由がある。現政権が国民の意見を無視してまでも税金を巻き上げ、大企業にそれを配ろうとしているのだ。ここでも政官財米の癒着が見え隠れする。原発再稼働、TPP推進――基本的な構図は同じである。既成勢力に有利な政策を実行し、自分たちの利益を得ようとしている。これでは国民はやっていられない。