ギリシャからの「火の手」は収まらない

ギリシャからの「火の手」は収まらない
17日のギリシャ再選挙を経て18日から19日までG20首脳会合が開かれました。ギリシャでは懸念された反緊縮派の政権奪取には至らずギリシャのユーロ圏離脱が早まる可能性は後退しました。またスペインの銀行への最大1000億ユーロの資金支援が決定された後も同国10年国債利回りも継続的な市場からの資金調達が困難になると考えられる7%を超え、一時7.15%付近まで上昇しました。しかし今週後半にはイタリアのモンティ首相による欧州救済基金が重債務国の国債購入を可能にするための提案をしたことにより10年債利回りは7%を下回っています。

来週以降ギリシャ情勢は落ち着いてくるのでしょうか?可能性はかなり低いと思います。

ギリシャ政府サマラス首相は政権樹立後、継続支援条件の緩和交渉を表明しています。緊縮財政目標の達成期限を2014年から2016年へ2年延長し、失業保険の給付延長や公的部門の雇用削減の規模縮小を求める方針です。しかしギリシャに対し欧州首脳陣は支援条件を全面的に尊重するべきとの考えを示しており、メルケル独首相にいたってはG20首脳会合のさなか「いかなる支援条件の緩和も認めず」と厳しい意向をコメントしています。ギリシャ政府は7月中旬には財政資金が枯渇するおそれがあることから、早急な継続支援が必要とされています。こうしたなかEU・IMF・ECBで構成された調査団が来週からアテネ入りし、詳しい実体調査と交渉を開始します。

ギリシャ再選挙結果を見てもギリシャ国民の世論は反緊縮を強く示しています。サマラス首相も政権樹立直後から国民世論に相反する内容での協議は難しいはずです。また3党連立与党の基盤も決して頑強なものではありません。すでに短命政権になる可能性も一部からは指摘されています。

また財政赤字削減目標を2年延長することにより新たな追加支援が160億~200億ユーロ必要になるようです。そうなれば第3次支援が必要になる可能性は極めて高まります。ギリシャ情勢は全く落胆の色を隠せないと考えられます。