スペインの財政支援はあるのか?

スペイン財政支援ならESMは資金不足に
ギリシャの再選挙では旧与党の新民主主義党(ND)が勝ったことから、東京時間こそユーロ買いが強まる場面がありましたが、スペインの国債が売られ、10年物国債利回りが、危険水域と言われる7%台にしっかりと乗せてきたことからユーロ売りが強まりました。

これまでEUから救済を受けたギリシャとアイルランド、ポルトガルは、10年物国債利回りが7%に定着すると、EUに支援を要請しました。その前例を見るまでもなく、ドイツ10年物国債が1.5%前後で推移しているユーロという通貨で、同じ10年物国債利回りが7%超という状況は、今後市場からの中長期資金の調達は事実上不可能、ということ意味していて、このまま国債利回りが7%超で推移すれば、スペインがEUに財政支援を要請するのは時間の問題、と考えられます。

スペインの経済規模は、ユーロ圏17ヶ国中4番目に大きく、その国債残高は約7000億ユーロにも上ります。ユーロ圏の救済基金であるESMの規模は7000億ユーロですが、すでに約2000億ユーロをESMの前身となるEFSF経由でギリシャなどに支援しており、実際の融資可能額は約5000億ユーロに過ぎません。そしてその5000億ユーロのうち(EFSFからの融資となる見込み)最大1000億ユーロはすでにスペインの銀行救済の為に使途が決まっているので、残りは4000億ユーロとなります。

ただし、加盟各国のESMへの払い込みは、分割の予定ですから、ESM発足当初の利用可能額はこの金額からさらに減額されてしまいます。それを考慮しないとしても、ESMの規模は、4000億ユーロと言われるスペインの財政救済には不十分な規模と言え、IMFの融資枠拡大に頼らなければなりません。

しかも、もしスペインが財政救済を要請すれば「次はイタリア」という連想が働くことは容易に想像できますので、次はイタリア国債利回りが7%を目指すというような悪循環が続くことになります。