S&Pのスペイン格下げの影響は限定的

ムーディーズはいつ発表か?
今日の早朝、米格付け大手S&Pがスペイン国債の格付けを「BBB+」から2ノッチ引き下げて「BBB-」にしました。

「BBB-」は、投資適格級の中で一番低い格付けですから、見通しがネガティブということは、今後もし格付けの変更があれば、投資不適格いわゆるジャンク級への引き下げになります。ただし、S&Pの欧州・中東・アフリカ格付け責任者のモーリッツ・クレーマー氏が通信社に対して「近い将来にスペインの格付けをジャンク級(投機的格付け)に引き下げる公算は小さい」と述べた、と報じられています。

この発表を受けてユーロ売りが強まった流れを受けて、東京時間にもユーロは売られ最近の安値を下回る場面もありました。

ただ、このS&Pの格下げを受けたユーロ売りは長続きはしないと考えられます。

というのも、今回S&Pはスペイン債を「BBB-」としましたが、主要格付会社3社のうち現在主要3格付け会社のうち、が、すでにスペイン債を「BBB-(Baa3)」としていました。残る1社のフィッチは「BBB」としていて、これまでは、3社が3社とも1ノッチづつ違った格付をしていたのが、一番高い格付けをしていたS&Pが2ノッチ引き下げてムーディーズと横並びにしただけ、ということだからです。

大きな動きに繋がるのは、ムーディーズが格付を変更した時です。

ムーディーズは、今年6月13日にスペインの格付けを「A-(A3)」から「BBB-(Baa3)」に引き下げ、さらに格下げ方向での見直しを行っています。当初は3ヶ月以内に結論を出す、ということでしたが、それが9月中に、に延長され、さらに10月中に、と延長されている状況です。結論が出ない、ということは、格下げの可能性が高いということですが、冒頭でも書きましたように「BBB-(Baa3)」からの格下げは「投資不適格級」=ジャンク級への引き下げを意味します。また市場では、引き下げるとした場合には1ノッチではなく2、あるいは3ノッチの引き下げもあるのでは?との見方もあり、そうなれば既発債相場の暴落や、新発債の入札ができなくなる、などの影響が考えられます。

現状では「10月中」ということで、いつ発表になるのか分かりませんが、S&Pの発表がムーディーズを後押しするのでは、というような見方もあります。もしも投資不適格級、それも2ノッチ以上の格下げがあった場合は、今日のS&Pの格下げよりもずっと大きな売り圧力がユーロにかかることが予想できますので、注意が必要です。