QE3でリスク選好のはずが・・・・

リスク回避の可能性も
先月から今月にかけて、

9月06日 ECB(欧州中銀)SMP(証券市場プログラム)に代わる新しい国債購入プログラム(OMT)を発表
     条件付きではあるものの、財政危機国の短期債を無制限に買い入れる

9月13日 FRB(米中銀)QE3を決定
     月400億ドルのペースで追加的なエージェンシーMBSの買い入れを実施、期限は未定
     労働市場の見通しが改善しなかった場合、追加の資産購入などを行う

9月19日 日銀、資産買入れ等基金を10兆円増額

10月02日 RBA(豪中銀)0.25%利下げ

と世界各国で連鎖的に金融緩和が続きました。

特にFRBのQE3によって、株価など資産価格の上昇とドル安が期待されました。しかし、発表後に上昇して、現在も高値圏での取り引きとなってはいるものの、期待されていたような持続的な上昇には繋がっていません。

各国の緩和策が株価の上昇とリスク選好に繋がっていないのには、いくつかの原因が考えられます。ひとつはQE3が実際に決定されるよりも数か月も前からQE3に対する期待感が強く、QE3を先取りした形でNYダウなどが買われていたため、実際に決定されてもサプライズとはならなかったこと。言葉を変えれば、QE3の決定を期待したポジションがすでに積みあがっていて、買い余力が限定されているとも言えます。

為替市場でも同じことが起きていると考えられます。それに加えて、ECBが決定したOMTが最初に想定している(はずの)スペインが、OMT開始の条件であるEUに対する救済申請を行う見通しが立たないこともリスク選好の動きを妨げていると考えられます。昨日もスペイン財務相が「OMTにタイムリミットはない」「スペインにとって重要なのは改革を継続すること」などと述べていて、早期の救済申請の可能性は低いと見られています。その他、ギリシャも一向に改革の実行ができないでいることも要因としてあげられます。

また、ここへ来て中国の景気回復を楽観視できないのではとの見方が根強いところへ、世界銀行が月曜日に「中国のGDP成長率見通しを2012年、2013年とも引き下げ」「中国経済の悪化を理由に東アジアの成長率見通しを下方修正」と発表し、昨日も世界経済の成長見通しを引き下げたことも同じくリスク選好の妨げになっています。

このまま時間が経って行くと、いずれかの時点で各国の緩和政策によってリスク選好の動きが強まると考えて作ったポジションの巻き戻しが強まる可能性が高く、そうなるとリスク選好どころかリスク回避の動きとなって、全般的な円高の動きとなることが予想できます。