「上にも」「下にも」動けない!?

休場明けの上海株大幅安-リスク逃避の円買い
※ご注意:予想期間は10月10日と表示されていますが、本日(9日)の東京・ロンドン・NY市場の値動きを想定した記述となります。

週明けとなった昨日は、国慶節明けということで中国勢がマーケットに復帰しました。しかしながら日・米が休場であったことから、相変わらず流動性の低下が目立ちました。

 そうした状況の中で世界銀行は、2012年の中国の経済成長率見通しを「5月の8.2%から7.7%」へと下方修正しました。これを受けた休場明けの上海は大幅安となり、アジア株式の全面安へとつながっていきました。こうした流れは欧米タイムへも引き継がれており、リスク逃避姿勢が鮮明の一日だったといえます。

 このため円が全面的に買われる展開となり、米雇用統計で78円後半まで上昇していたドル円は、一時78.074円・Bidまで値を落としています。中尾財務官の円高牽制発言で何とか78.30円台まで押し戻されましたが、再び元の78円前半へと押し戻された格好といえます。

リスク逃避+ポジション調整-ユーロ円大幅安
 一方で、債務懸念が燻ぶり続けている欧州通貨に対しては、こうした動きはさらに目立ちました。昨日は欧州安定メカニズム(ESM)が正式に発足しましたが、スペインの全面支援要請は依然として不透明のままであり、ギリシャへの2次支援もまだ決まっておりません。このため前記した円買いに、ユーロのポジション調整も加わったことで、先週末に102円後半まで反発を見せていたユーロ円は一気に101.121円・Bidまで一時下落しています。

9円ラインを割り込み大暴落-南アランド
 そしてこれらのトバッチリを受けたのが、南アランドでした。南アの景況感が悪化していることや、鉱山等の非合法ストライキが拡大していることなどを背景にジワリジワリと上値を削ってきた南アランド円ですが、昨日はこれに「リスク回避の円買い」と「懸念が燻ぶる欧州金融機関からのレパトリエーション(南アランド売り・ユーロ買い)」が加わりました。このため比較的無風状態(?)だった南アランドに強烈な逆風が吹く格好となり、長らく下値を支えてきた9円ラインを割り込むと、6/1安値(8.907・Bid)をも割り込んで、2009年1月以来の安値水準となる8.658円・Bidまで一時売り込まれています。

スペイン支援問題に振り回される展開-ユーロ
 こうした中で実質的な週明けとなる本日ですが、基本的には欧州債務問題を中心とした展開に回帰すると見られるところです。

 スペインの全面支援に関しては、現時点ではまだ方向性が定まらない状況が続いています。本日のEU財務相理事会で議論されると見られるところですが、結論が出る可能性は未知数です。このため「早期支援要請への思惑が台頭すると“リスク選好”」、「支援要請の先送り観測が台頭すると“リスク回避”」の流れが優勢になると見られ、これに当面は振り回される展開が想定されるところです。

「上にも」「下にも」動けない!?
 一方のドル円は、78円前半での神経質な展開が指摘されるところです。前記したように今週のマーケットテーマは、再び欧州へと回帰する可能性が高まっています。そして先週の米雇用統計を背景にした上昇分は、すでに昨日に吐き出しています。さらに78.00-77.90円に展開するドル買いオーダーと、78.40-50円にかけて展開するドル売りオーダーに双方向を挟まれており、動くに動けない展開が想定されるからです。もちろん両ラインを超えると「ストップロスを絡めた動き」が期待できるところですが、現時点の材料で突破するのは難しいと見られるところです。

 やはり目先は欧州債務問題、それもスペインの全面支援に関する思惑について、注意しておきたいところです。