「軟調スタート、米中対立が株価の重しに」

「軟調スタート、米中対立が株価の重しに」
 昨日の米国株式相場は下落。ダウ工業株30種平均は26.5ドル安の13583.65、ナスダック総合指数は28.83ポイント安の3112.35となった。今週から始まる企業の決算発表への警戒感から、主要株価指数は軟調に推移。中国の下請け工場のストが影響して、アップルが2%以上下落したことも、ナスダックの下落要因になった。また、シカゴ日経平均先物(円建て)は8800円。大証終値と比べて70円安の水準で取引を終了している。したがって本日の東京株式相場は軟調なスタートを想定。下値を試すものと思われる。

 日経平均の日足チャートでは、先週末まで順調なリバウンド相場が続いていた。週末もローソク足で下ひげが出現し、相場の底堅さを示していた。

 しかし、先週の相場は前原経財相が日銀金融政策決定会合に出席するなど、政府による日銀への政治圧力が強まっていた。今月末の決定会合での追加緩和が確実視されており、こういったことも株価の下支え要因になったと思われる。

 だが、海外市場では中国のiPhone5の工場がストライキで再び操業を停止しているほか、米国では下院情報特別委員会がスパイ容疑のため、中国通信大手の製造部品の排除を求めている。米中対立がにわかに浮上しており、「iPhone5を米国製品だけで生産できないか」などの意見も浮上する始末だ。米中対立が激化すれば、世界経済にも悪影響を与える可能性が高くなる。株価にもマイナスインパクトを与える公算が大きく、このへんの動きには注意しておくべきだろう。

 そのような状況から、日本株の今後の動きは、日銀の追加金融緩和よりも、世界経済のリスクが意識される展開になると思われる。当然、日経平均の軸は下向きであり、その方向へと動き出すだろう。

 問題は10/3の安値(8729.56円)付近に出現したテクニカルの壁である。これが消滅していれば、一気に下方向に走り出すことになる。短期的には3段目の窓下限(8448.54円)までの下落余地があり、急速な下落には注意をしておくべきだ。

 なお、週末に発表された米雇用統計では、失業率が7.8%に低下した。だが、GEの前CEOのウェルチ氏は、「オバマ政権は支持率を高めるために米雇用統計を操作し、失業率低下を演じている」と批判。物議を醸している。同氏はロムニー氏支持であることから色々な憶測を呼んでいるが、政府が経済指標を操作するなんて容易なことなのだろう。「経済指標が改善したから株買い」――これはまったくのナンセンスということだ。投資家には総合的に判断力が求められている。