バーナンキ講演は肩透かしの可能性も

バーナンキ講演は肩透かしの可能性も
例によって今年も夏場を前に米景気が失速し、夏の終わりの恒例行事である米ワイオミング州ジャクソンホールでのシンポジウムにおいて、バーナンキFRB議長が追加緩和を示唆するか否かが注目される事になった。

バーナンキ議長は、一昨年2010年にも、同じく夏場に米経済が低迷する中、8月末の同シンポジウムで追加刺激策に言及し、同年11月導入する量的緩和第2弾(QE2)を決定付けた経緯がある。

今年も一昨年と同じパターンでのQE3導入を期待する向きがあるようだが、QE2当時と現在とでは米経済を取り巻く状況が大きく違う点には注意が必要だ。

2010年のジャクソンホール直前の7月の失業率は9.5%、非農業部門雇用者数は前月比13.1万人減(その後5.8万人減に修正)であり、足元の8.3%、16.3万人増に比べると当時の雇用情勢は格段に弱かった。

さらに、2010年7月の消費者物価コア指数は前年比+0.9%と、足元の+2.1%に比べると格段に低い伸びにとどまっており、インフレよりもデフレが懸念される水準であった。

もちろん、現在の米国景気が力強い回復を示しているとは思えないため、将来的な追加緩和の可能性は否定しないが、そのハードルはかなり高いと見るべきだろう。

バーナンキ議長が、一部のFRBタカ派メンバーの反対を押し切って、来週発表される8月雇用統計の結果を確認する事なしに独断でQE3に言及するとは思えない。

「必要な状況になれば(経済状況が悪化すれば)実施する用意がある」という従来のスタンスを再表明する公算が高い。

本日のバーナンキ議長の講演がドル/円相場のレンジブレイクのきっかけとなるとの期待は肩透かしに終わる可能性が高そうだ。