ギリシャ融資問題合意も、本当の解決にはまだ時間

当面のデフォルトは回避できたが
日本時間昨晩から今朝にかけて開催されたユーロ圏財務相会合で、ユーロ圏各国とIMFは今年6月から停止中のギリシャ向け融資を12月にも再開することで合意しました。

21日のユーロ財務相会合では、ギリシャの債務削減目標達成期限の2年延長を提案したユーロ圏諸国と、公的部門に負担を求めるIMFが対立し、溝が深まっていました。昨日からの会合では両者が歩み寄る形となってなんとか合意した模様です。

ギリシャの債務を2020年までにGDP比120%まで削減するという目標は、2年の延長はせずそのまま2020年までとしたものの、目標数値を120%から124%に緩和することで合意しました。しかし現在の状況からではその目標も達成することができない見通しとなっていることから、いくつもの追加支援を同時に決定しました。

・すでに実施されたギリシャ向け2国間融資の金利を1%引き下げ
・融資の返済期限を15年から30年に延長
・EFSFからの融資の利払いを10年間猶予
・ECBの国債購入プログラムで生じた110億ユーロの利益をギリシャに還元
・民間保有のギリシャ国債を額面の35%程度で買戻し(規模は明示されていないが100億ユーロ規模か)

財務相らはこういった方策によってギリシャの債務を持続可能な水準まで引き下げることを可能にする一方、ギリシャの債務返済を確実にするため、一部の特定の収入や支援金を「分離勘定」に入れることでも合意しました。

まさに至れり尽くせりといった感じですが、こういった種々の条件の緩和に加え、将来的に「ギリシャが基礎的財政収支の黒字化を達成するか、または達成する見通しとなり、すべての条件を満たしたとき、必要であれば、われわれは債務削減に向けた一段の措置を検討する」(ショイブレ独財務相)とされています。

しかし、ここまでのお膳立てをしてもなおギリシャの債務が持続可能な水準まで削減できるかは疑問です。現状では穴の開いたバケツで水をすくっているような状態で、基礎的財政収支が黒字化しなければいつまでたっても債務の削減できません。また目標がGDP比ですので、GDPが縮小している状況では目標達成は遠くなる一方です。当面、例えば年内や年明けすぐにギリシャが偶発的デフォルトをする事は回避できたので、そういう意味ではユーロ買いの材料ではありますが、今後もスペイン問題とともに火種はくすぶり続けることでしょう。

なおIMF筋の言葉として「財政再建プログラムの完了後、ギリシャの融資返済を免除することが、債務を持続可能なものにする最も簡単な方法だ」と報じられています。。。