焦点は再び「財政の崖」問題へ

円売りポジションは巻き戻されやすい
感謝祭の休暇が終わって、ブラック・フライデー(感謝祭の翌日の金曜日)のオンライン・ショッピングの売り上げが10億ドルを超えた、と話題になっています。一方、休暇明けで再開した議会では、あと一か月余りに迫った「財政の崖」を回避するべく民主・共和両党の協議が再開しています。

共和党は、やや歩み寄る姿勢も見られますが、依然として富裕層への増税に反対しており、税制優遇措置の縮小と支出削減だけで「均衡のとれた赤字削減」を目指せるとしています。一方オバマ大統領・民主党は、均衡の取れた解決策には歳入増が必要であるとの立場をとっており、富裕層への増税を含まない案には拒否権を行使する、としています。

昨日の報道では、民主党のリード上院院内総務が「財政の崖」の回避に向けた民主、共和両党の交渉が「ほとんど進展していない」と述べ、株式市場の下落の一因となっています。

両党とも、米経済を「崖」から突き落とすことは今後の選挙への影響もあって望んでいないと考えられますが、あと1ヶ月の間に妥協点を見出すことが難しいと見られることから、時限的な減税の延長などで問題を先送りすることも視野に入れて交渉を進めると見られます。

ただし最悪の場合、年内に何の進展もないまま、一時的に「崖」から滑り落ちる可能性も残っていることに加え、交渉の過程でお互いに強気の発言が多くなる可能性もあり、そういったヘッドラインはリスク回避の動きを誘発しますので、株式下落、米長期国債の利回り下落、為替市場ではドル買い、円買いという動きになりやすいと予想できます。