<クローズアップ>=漁獲枠10年ぶりに拡大、マグロに熱い視線(1)

 水産資源の保護と安定的な食材の調達で板ばさみになっていた日本の水産、そして和食業態に久々に明るい材料が飛び込んできた。クロマグロの東大西洋と地中海での2013年の漁獲枠が10年ぶりに拡大されることが漁業管理機関「大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)」の年次総会で合意に達したからだ。クロマグロに関しては養殖技術の取り組みも進展しており、水産や和食業態にとっては心理的にも波及効果が期待される。

 高級料理からツナ缶にまで幅広く使用されるマグロは日本人にとって最もポピュラーな食材だ。しかし、近年では和食文化が世界的に浸透する中で隣国の中国を含めて乱獲が深刻化、環境保護団体からは、クジラ並みの漁獲規制を求める声も高まり、東大西洋では1970年代半ばから資源が減る傾向にあることを受けて、ICCATは99年に漁獲規制を導入した経緯がある。

 このような厳しい状況が続くなかで、ICCATはクロマグロの資源量が増加に転じたことを10月に公表した。これを受けて11月にモロッコで開催されたICCATの年次会合で、クロマグロの漁獲枠を現行より500トン増やし、1万3400トンとすることが正式に決定した。