83円手前のオプション由来の売りはなくなるが

雇用統計がきっかけとなるのか
11月終盤から、ドル円は82円台を中心とした取引が続いています。市場の噂では、82.90円に大きなオプションのバリア(そのレートが取引されるとオプションや支払が発生したり消滅したりするポイント)があるようで、82円台後半になると、その防戦売りが出ていたようです。一方そういった売りは、数十銭下がれば買い戻す種類の取り引きなので、82円絡みでは買いが出てきて下がりきらないのも説明がつきます。

噂ではそのオプションは今日の晩のNYカット(NY時間午前10時=東京時間深夜0時)で期限を迎えるようです。そうなるとその売りはもうなくなるので、もし83円台を試すような動きに再びなれば今度は83円にに乗せられるかもしれません。

ただ市場の雰囲気は、かなり上値の重いものになっています。衆院選挙後に自民党を中心とした政権が実際に誕生して、強力な追加緩和への期待が高まれば再び円安の動きが加速すると考えられますが、衆院解散以来ここまでにすでにかなり大きく買ってしまっているだけに、一旦の調整がはいるのではないでしょうか。

毎週土曜日の朝に発表されているシカゴIMMのポジションを見ると、先週火曜日引け時点の円の非商業ポジションは79466枚の売り越し(=約9233億円相当)と拡大していて、この金額は3月末の67622枚(約8453億円)を上回って2007年以来の高水準になっています。2007年というと、日米2年債利回り格差が4%近くあって、いわゆる円キャリー取り引きが全盛だった時のことですので、日米2年債利回り格差が0.2%を切っている今とは全く状況が違います。さらに、今年2~3月と比べると上昇幅が限られていることから、あまりコストが良くないポジションが大きくなっていて、下がりだすとそういったポジションの手仕舞いが加速する可能性があります。

銀行などによれば、大手のヘッジ・ファンドもかなり大きなドル円のロングを積み上げているようですが、こちらもそれほどコストは良くないようです。

金曜日の雇用統計は、金融政策に与える影響という点ではそれほど重要ではないかもしれませんが、もし予想より悪い結果となれば、円買戻しのきっかけになるかもしれません。