雇用統計結果にかかわらず、米金融緩和拡大の流れは不変

これまで同様に、下がれば金相場は買い場になる
今年発表された米雇用統計と金相場との関係を振り返ってみると、雇用の改善が確認されれば金融緩和政策の出口観測から金相場は売られ、逆に雇用の低迷が確認されれば金融緩和の長期化・拡大観測から金相場は買われる展開が目立ちます。

先月11月の場合だと、10月非農業部門就業者数が前月比+17.1万人(市場予測は+12.5万人)、9月分も速報の+11.4万人から+14.8万人まで大幅に上方修正されたことで、米連邦準備制度(FRB)に対する緩和圧力が後退するとの見方が金相場の上値を圧迫しました。特に、年末で期限切れを迎えるツイストオペの代替策を導入する必要が無くなったとの見方が失望売りを招いた模様です。

しかし、10月23~24日開催のFOMC議事録では、「多くの参加者は、ツイストオペ終了後の来年に、追加の資産購入措置が適切になる可能性が高いとの認識を示した」と明記されており、来年に向けて資産購入を拡大する方向性に変化は無いでしょう。セントルイス連銀のブラード総裁は、米国債を毎月250億ドル買い入れれば、ツイストオペと同様の刺激効果があると指摘しています。

今回発表される11月雇用統計の事前予測は、非農業部門就業者数が前月比+8.7万人(前月は+17.1万人)、失業率が7.9%(同7.9%)と、やや低調な数値になっています。ハリケーン「サンディ」による雇用市場の混乱が反映される見通しであり、余り良好な数値は想定されていません。

ただ、11~12日のFOMCに向けて金融緩和策強化の方向性が確実視される以上、今回は仮に良好な数値がサプライズとして出てきたとしても、金相場の下落余地は限定的とみています。むしろ、誤った金融政策見通しで急落する場面が見られれば、11月同様に押し目買いの好機になりそうです。

ドルのマネタリーベース拡大の方向性に修正を迫ることは難しいでしょう。