弱さ比べのドル/円相場、ややドル堅調か

緩和圧力の再強化で金相場は上含み
ドル/円相場は、82~83円の比較的狭いレンジで膠着気味の展開になっています。

16日の投開票に向けて総選挙が終盤に差し掛かる中、政権交代に伴って日本銀行の緩和姿勢が強化されるとの思惑を背景としたドル買い・円売り圧力が一服しています。もっとも、「財政の崖」を巡る不透明感がやや後退していることや、日銀が12月19~20日の金融政策決定会合で追加緩和に踏み切るとの見方が強まる中、特に積極的にドル買い・円売りポジションを解消する動きも見られませんでした。

7日に発表された11月米雇用統計では、非農業部門就業者数が前月比+14.6万人となり、市場予測+8.5万人を大きく上回りました。また、失業率も前月の7.9%から7.7%まで低下しています。ただ、これが11~12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加緩和策の導入を見送る程に強い数値とは評価しづらいため、米金融政策環境の視点ではドルの上値が圧迫され易い状況です。FOMCでは月額250億~450億ドル程度の米国債購入が決まると予測しており、事実上の量的緩和第4弾(QE4)導入に限りなく近い状況になります。

もっとも、引き続き日本の選挙動向の方が注目され易いため、ドル/円相場の下落余地は限定されるでしょう。今後は自民党の安倍総裁が打ち出してきた脱デフレ・脱円高戦略の実現可能性を値踏みするステージになりますが、選挙後に大きな方針転換がなければ、ドル買い・円売り圧力は継続される可能性の方が高そうです。今週は、そうした期待感が、ドル/円相場をサポートする見通しです。直近のドル高・円安水準となる82.84円(11月22日)をブレイクすることも可能と考えています。

こうした中、金相場の投資環境は強気状態が続くでしょう。改めて世界的に金融緩和圧力が強まっていることに加え、前週に大口投機筋の買いポジションが大幅に整理されたことで、内部要因から下値不安は限定されています。円建て金相場に関しては、円安圧力からの支援も受け易く、ともに押し目買い基調が想定されます。ドル/円相場は膠着感を強めていますが、ドルと円の双方を押し下げている圧力が、金相場にはポジティブに機能する流れを確認しておきましょう。ドル建ては1,700ドル水準、円建ては4,500円水準が買いエントリーポイントになります。