<クローズアップ>=EV本格普及で蓄電池高成長へ、理想買いから現実買いへ(1)

 世界各地で環境保護への規制が強化されるなか、米国を中心に電気自動車(EV)普及に向けた取り組みが着実に進んでいる。国内も今後10年で市場規模が10倍に拡大、EV普及のポイントになる駆動用蓄電池の市場は年率26%の成長が続くと予想され、関連銘柄は理想買いから現実買いの段階に入ってきた。

 米国ではEV普及に向けた取り組みが急速に進みはじめている。米政府は低価格EV向け電池開発を目的としたプロジェクトを立ち上げ、5年間で約1億2000万ドル、約100億円を投じて、エネルギー省管轄のアルゴンヌ国立研究所を中心に産官学の力を結集、EV向け電池ほか配電網の電池や配電網のエネルギー貯蔵技術の開発を進めるという。

 プロジェクトにはアルゴンヌ国立研など5つの国立研究所と化学最大手のダウ・ケミカルや半導体製造装置最大手アプライド・マテリアルズなど民間企業4社、中西部の5大学が参加。独立した研究プログラムを統合、より大規模で効率的に先端技術の開発を進めるとしている。EV普及の鍵を握る先進的な電池技術を、米国が世界に先駆けて開発したい考えだ。

 こうした政策サイドの動きに呼応して、大手自動車メーカーもEVの開発と拡販に本格的に乗り出した。フォード・モーターはEV市場で今年は11%のシェア獲得を目指す考えを表明、10月単月のシェアは5%強から12%に急上昇した。米国のハイブリッド、EV市場はトヨタが圧倒的優位に立ち、1~10月のシェアは70%を超えていたが、10月単月では61%に低下している。フォードは事業戦略の柱の1つに燃費性能の向上を掲げ、EVに重点を置いてトヨタに挑戦する姿勢を示しているとしているという。